MacとiPadの悦楽生活50 #EtsuMac50 - 20 2015年のMacBookシリーズどれを買う問題結論編
4月は、MacBook、MacBook Pro 13インチという、3月9日のイベントで発表された新しいMacBookシリーズのうちの2機種をじっくりと試してみました。今回は少し、まとめとしての記事を書いておこうと思います。
元々使っているMacBook Pro 15インチと合わせて、12インチのMacBook、13インチのMacBook Proの3つのサイズのMacを比べてきたことになります。またMacBook Air 13インチについては、今使っているマシンの前に使っていました。作業の負荷として、テキスト編集が主で、これに加えて写真編集と短いビデオ編集を行うという筆者の前提で、今現在における筆者のチョイスについて答えを出しておこうと思います。
結論から言うと、「必要なときが買い時」という点ではMacBook Pro 13インチが今のところ良いと思います。同時に、切羽詰まっていなければ「ステイ」、というポジションです。
お題
【2015年に欲しい、理想的なMacとは?】
解決策
→MacBook Pro 13インチ、もしくは次のMacBook Air?
●ノートPCを再定義するであろうMacBook
○多分、未来はMacBook
MacBookに触れてみて、必ずしも「思い切り新鮮だった」という印象は受けませんでした。
しかし、非常に軽く、小さく、そのため画面の美しさが際立つ「キレイな製品」であるのには違いありません。これは、一般に懸念材料とされているUSB-Cポートや薄型化されたキーボードについて、筆者は特に問題にならなかったことから、単体で使っている上では大きなネガティブなポイントがなかったということが理由でしょう。
おそらく、あのキーボードがどうしても嫌だという人もいるでしょうし、これらは筆者も困ったポイントでしたが、ThunderBolt2やSDXCカードスロットがないことで不便をする人もいるでしょう。
しかし一方で、極限までシンプルに削り取られた、ディスプレイとキーボードが備わるだけのMacBookは、ノート型コンピュータの未来、あるいは最終的な形、理想の原点、といったところでしょうか。これ以上どうしようもないところまで来てしまったような印象を受けます。ノートパソコンとして単体で利用する上では、これで問題がないのです。
MacBookは、Appleのノートブック型ラインアップにおける「当面の基本形」として、再定義されたマシンと考えることができます。薄型キーボード、フォースタッチのトラックパッド、Retinaディスプレイ、9時間以上のバッテリーライフ、USB-Cポートなどを基本性能に、その他のモデルはこれに何らかの機能や性能を追加しながら、モデルのラインアップが刷新されていくでしょう。
例えば、少し大きな13インチのMacBookが出てきたらどうか。ちょっと強度に不安を覚えますが15インチのMacBookが出てきたらどうか。面白そうですが、どちらもその必要性がない、と考えています。
○完全なる過渡期
とはいえ、MacBookの購入しにくい理由は、ベンチマークでは2011年モデルのMacBook Airと大差ないという結果からでした。実際にまっさらなシステムとして使い始めると、レインボーカーソルを見ることなく快適に利用できます。
ただ、個人的な性格として、今使っているものより性能の低いマシンを買おうという気に、どうしてもなれなかったというのが実際のところです。やはり最新のCore i5ファミリーを搭載したMacBook Air以上を選択したかったわけです。
一方で、これまでも連載で述べてきた通り、一度MacでRetinaディスプレイを使ってしまうと、後戻りできない「感覚」が身についてしまいます。
これまでノート型のRetinaディスプレイはMacBook Proの特徴でもありましたが、MacBookでも採用され、採用モデルは拡大することが考えられます。
今現在、MacBook Pro以下のラインアップでは、MacBook Proと同じCore i5ファミリーを搭載する「MacBook Air」と、MacBook Proで採用されているRetinaディスプレイを搭載する「MacBook」、という選択をしなければならず、性能面からすれば13インチのMacBook Proを選ぶしかない、というチョイスになります。
完全に過渡期。2015年はMacBookシリーズのラインアップが整理される1年と言えるでしょう。
●近い将来刷新されるかも? なMacBook Air
○次のMacBook Airへの期待
一つ、インターフェイスの視点での考察を。
3月9日に発表されたMacBookシリーズのうち、新型の薄型キーボードとフォースタッチに対応したトラックパッドの両方を搭載したのはMacBookだけでした。同時に発表されたMacBook Pro 13インチには、新しいフォースタッチのトラックパッドは搭載されましたが、新型キーボードは搭載されませんでした。そして、同じ日に刷新されたMacBook Airシリーズには、その双方が搭載されていません。
トラックパッドは今後、フォースタッチ対応へと切り替えられていくでしょう。しかしキーボードについては、もしかしたら、既存のキーボードをPro向け、MacBookに搭載された薄型をそれ以外のモデル向けへ振り分けることも考えられます。
MacBook Airは3月9日にアップデートされましたが、インターフェイス面では古いトレンドをそのまま引きずっており、例えば新しい薄型キーボードとフォースタッチのトラックパッドの両方を採用するモデルが登場する可能性があるのではないか、と思います。Retinaディスプレイと新型キーボード&トラックパッド、1つもしくは複数のUSB-Cポートを搭載し、加えてSDXCカードスロットぐらいを搭載したMacBook Airが登場してきても良さそうな気がしてきました。
すると、これまで13インチでRetinaディスプレイの差異しかなかったMacBook AirとMacBook Proの間に、キーボードやポート類という差異が生まれるのではないか、と考えています。それがラインアップ上、充分な際になるかどうかはわかりません。
松村太郎(まつむらたろう)ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。
インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を執筆している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura