2015年6月1日 11:00
巨人Intelに挑め! - 80286からAm486まで (4) Intelとの協力体制を築いたAMDだったが…(後編)
この頃から、x86アーキテクチャがMotorolaの68000などの他のアーキテクチャと競合していた状態が、PCの爆発的な普及により次第に変わってきていた。すなわちx86はPC業界の唯一の標準となり(de-facto standardと言う)、PC各社は標準にのっとったPCを大量生産することとなり、勝敗を分けるのは、どのPCメーカーがより高速なCPUとより容量の大きいメモリ(DRAM)を積んで、より安く提供するかが勝負となる。
もっとも、この時代にはまだPCの形状などで差別化を図れることができたので、Display一体型デスクトップ、白黒DisplayでなくカラーDisplay, ラップトップ(ノートブックではなく)など各社工夫を凝らしたPCが出現した。それでもやはり、重要なのはコンピューターの頭脳と言われるCPUである。当時のWindowsベースのアプリケーションはまだ高速のハードを必要としていたので、CPUが高速であるほど、またメモリ容量が大きければ全体の処理能力は高くなる。CPUが同一アーキテクチャであれば、性能を決定付けるのは動作周波数(クロックスピード)と消費電力である。より高い周波数で、消費電力を抑えたCPUがより高い価値があることになる。