「Firefoxが38.0.5」を試す - マイナーバージョンアップ、ポケットやリーダーモード追加

●記事や動画を簡単に保存する「Pocket」
Mozillaは、6月3日(現地時間)に「Firefox」のマイナーバージョンアップを行った。バージョンナンバーは「38.0.5」とやや半端であるが、いくつかの新機能も追加されている。本稿では、それらの新機能を簡単に紹介しよう。アップデートは、自動的に行われるが、Firefoxメニューの［ヘルプ］→［Firefoxについて］を開くと更新が行われる。［Firefoxを再起動して更新］をクリックする(図1)。

○記事や動画を簡単に保存する「Pocket」

Pocketはクラウドを利用した記事ストックサービスである。すでにアドオンとして利用可能であったが、38.0.5で本体機能として統合された。すでにPocketアドオンを使用している場合、そのまま使用できる。Firefox 38.0.5を起動すると、図2のようにPocketが利用可能なことがわかる。

［Pocketを利用する］をクリックすると、アカウントの登録をするように求められる。

すでにブックマークやアドオンを同期するSyncなどを使うユーザーも多いだろう。今回、機能統合されたことで、Firefoxアカウントなどでも利用可能になった。まずは、下にある［ログイン］をクリックする。図4のように、Pocketへのログイン画面となる。

図3で［Firefoxでアカウント登録］を選択しても同じだが、ここで［Firefoxでログイン］を選択する。サインイン画面となるので、Syncで使っているメールアドレスなどを入力する。

最後に、承認を行う(図6)。

以上で、Pocketが利用可能になる(図7)。

使い方は簡単で、保存したい記事や動画を閲覧している際に、Pocketボタンをクリックするだけである。

Pocketに保存した記事や動画は、マイリストで確認できる(図9)。

●「リーダーモード」でより読みやすく
○「リーダーモード」でより読みやすく

ブログなど閲覧する際に、余分なコンテンツ(本文と関係ないボタン、広告、背景画像など)を排除して、文章のみを表示するのがリーダーモードである(表示された状態をリーダービューと呼ぶ)。実際に比べてみたほうがわかりやすいであろう。まずは、普通に表示したのが、図10である。

リーダーモードに移行するには、アドレスバーにあるリーダービューアイコンをクリックするタップするだけである。

Mozilla Japanのブログであるが、もともとシンプルなのであまり劇的な変化はないが、本文のみが表示される。戻るには、再度、リーダービューアイコン(オレンジ色に変化している)か、左上の戻るボタンをクリックする。［Aa］ボタンをクリックすると、フォント、フォントサイズ、コントラストを変更することができる。

Android端末用のFirefoxなどでもすでに搭載されている機能である。Android端末は、画面も狭い。余分なコンテンツが少ないほうが読みやすい。そのための機能が、デスクトップ版にも搭載された。いちばん下のボタンは、Pocketへの保存である。

●それ以外の新機能と修正
○それ以外の新機能と修正

Firefox 38.0.5では、新機能として、以下も追加された。

アクティブなタブやウィンドウをHelloの通話で共有可能に

また、修正点は次の2点である。

タブ切り替え時に発生する競合によって、Firefoxの描画が停止することがある不具合の修正(Bug 1067470)
Windows 7に組み込みのVGAドライバ使用時に発生するパフォーマンス上の不具合の修正(Bug 1165732)

さて、今回のPocketやリーダーモードであるが、機能を無効にすることができる。まず、Pocketであるが、about:configを開き、検索ボックスに「browser.pocket.enabled」と入力する。

表示された［browser.pocket.enabled］をダブルクリックし、値を「false」に変更する。同様にリーダーモードを無効にするには、「reader.parse-on-load.enabled」で検索する。

こちらも、ダブルクリックで「fales」に変更する。

今回のマイナーバージョンアップであるが、Pocketやリーダーモードの新機能をいち早く提供することが目的と思われる。修正点もあるので、速やかにアップデートすべきだろう。次のメジャーバージョンアップはバージョン39であるが、6月30日(現地時間)の予定である。