東北大など、二酸化チタンの欠陥を自在に操る技術を開発
同成果は、同大 国際高等融合領域研究所(現 学際科学フロンティア研究所)および理化学研究所Kim表面界面科学研究室の湊丈俊 助教(現 京都大学 特定准教授)、理化学研究所Kim表面界面科学研究室の金有洙 主任研究員、東京大学 大学院 新領域創成科学研究科の川合眞紀 特任教授、千葉大学 大学院 理学研究科の梶田晴司 博士(現 豊田中央研究所)、中山隆史教授、University College of London化学専攻のChi-Lun Pang博士、東北大学 原子分子材料科学高等研究機構の山本嘉則 特別研究顧問および名誉教授、浅尾直樹 教授らによるもの。詳細は米国化学会発行の「ACS Nano」に掲載された。
TiO2が発揮するさまざまな機能には、その結晶構造を乱す原子欠陥の配列や量などが関わっていることが知られており、これを操作できれば、新たな機能の開拓も可能になると言われてきた。これまでの研究では、加熱や光励起などを用いて、粗く原子欠陥の量を変化させる方法は報告されていたものの、量や種類を精密に制御するといった方法は報告されていなかった。
今回、研究グループでは、STM(走査型トンネル顕微鏡)を用いて、TiO2表面に存在する原子欠陥である水素イオンを1つずつ操作することで、その反応機構の解析を行った。その結果、これまでに提案されてきた反応機構では説明ができないこと、ならびに水素イオンの脱離は量子トンネル効果による反応であることを見出したほか、量子トンネル効果は、電場によって反応障壁の幅が狭まり、そこに電子による励起が加わることで誘発されることを発見。これらが「電場誘起トンネル反応」という新たな反応であることを突き止めたという。
なお、今回の成果を受けて研究グループでは、同技術の活用により、活性の高い光触媒や、高い発電効率を実現した太陽電池などの開発や、従来ない機能の創生などにつながることが期待されるとコメントしている。
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