単なる製造業からの転換を - IoTが変えるものづくり産業の在り方
●グローバルと日本とで受け止め方が異なるIoT
この数年、「IoT」という言葉がビジネスの分野で使われない日はないが、この正式名称であるInternet of Thingsや日本語訳のモノのインターネットと言われても、いまいちピンと来ない人も多いのではないだろうか。特に日本では、そうした傾向が顕著であると指摘するのは、コンサルティング大手のアクセンチュアだ。
同社が実施した世界約1400社(うち日本は50社)のCEOを対象とした「経営者がIoTをどのようにとらえているのか」に関する調査(グローバルCEO調査 2015)でも、グローバルでは約7割の企業が競合がIoTの活用によりビジネスモデルを変化させると思うが、日本企業だけを見ればわずか16%であり、IoTにより競合が市場を一変させる製品やサービスを投入する可能性があると思っているか、という問いに対してもグローバルでは62%の企業がそう思うと答えたのに対し、日本ではやはり16%という結果となった。
IoTの仕組みは、簡単に述べれば人が介在しない機器が、自動的にセンサなどから情報を収集し、それを集め、分析・解析し、ビジネスに役立てよう、というものだ。