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IoT機器に仕込めるアキバ発の"忍者" - Cerevo、東芝SoC搭載の超小型モジュール「BlueNinja」発表

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IoT機器に仕込めるアキバ発の"忍者" - Cerevo、東芝SoC搭載の超小型モジュール「BlueNinja」発表
●日本の技適も取得、IoT機器の手軽な開発を支援
Cerevoは28日、ハードウェア開発者向けの同社ブランド「Cerevo Maker series」の第2弾として、超小型モジュール「BlueNinja(ブルー・ニンジャ)」を発表した。同日より直販サイト「Cerevo official store」で受注開始する。単体価格は税別4,890円。出荷は8月上旬から順次。

同日、Cerevoが入居する東京・秋葉原のハードウェア・スタートアップ向け施設「DMM.make AKIBA」で発表会が行われ、Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏、そして東芝 セミコンダクター&ストレージ社 ロジックLSI事業部 事業部長附の松井俊也氏が、製品の特徴を紹介した。

○日本の技適も取得、IoT機器の手軽な開発を支援

「BlueNinja」は、Bluetooth 4.0搭載の東芝製低消費電力SoC「TZ1001」をメインSoCとして採用し、加速度、角速度、地磁気の9軸センサーと気圧センサー、リチウムイオン電池の放充電回路を搭載した超小型モジュール。

日本の技適も取得し、今後米国および欧州の電波法・不要輻射規制に対応予定。同製品をメイン基板として使用できるため、ユーザーは、製品化に必要なプリント基板を開発せずとも、手軽に「BlueNinja」を使いIoT製品を製作できる。


発表会のデモンストレーションでは、「BlueNinja」とバッテリを内蔵させたミニ四駆を走らせ、速度や傾き、進む方向などをBluetooth 4.0でiPhone側に送信しリアルタイムで確認するデモや、ニキシー管に時刻を表示させ、腕時計のように手首に巻けるウェアラブル機器などが披露された。

東芝では、メインSoC「TZ1001」および関連設計情報を提供。Cerevo側では、モジュールの仕様策定と販売を行う。

主な仕様は次の通り。無線規格がBluetooth 4.0、メインSoCが「TZ1001MBG」、CPUが32bit ARM Cortex-M4F 48MHz、RAMが288kByte/Flashが1024kByte。インタフェースはGPIO / USB / SPI / I2C / UART、センサー類は9軸および気圧。電源電圧は3.3Vで、電波認証はTELECを取得済み。本体サイズはW11.0×D37.5×H5.1mm、重量は約2g。


「BlueNinja」は、発表会も行われた東京・秋葉原のハードウェア・スタートアップ向け施設「DMM.make AKIBA」で量産する。基板単体のほか、デバッガ付きブレイクアウトボードを搭載した開発キットも、9,990円で販売する。

初回ロットは300枚。初回版を購入する先着300名には、デバッガ付きブレイクアウトボードのセットに、リチウムイオン電池を同梱したスペシャルモデルを、9,999円で送料無料で販売する。

●既存モジュールが使えない「量産」の壁
Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏は、市場には多数のハードウェア開発用モジュールが流通しているが、これら開発用モジュールはプロトタイプのみに特化しており、量産フェーズでは継続利用できない課題があると、「BlueNinja」の開発背景を紹介した。

岩佐氏は、「電子機器業界と、最近のハードウェア・スタートアップ企業の間に壁があると感じる」と語る。既存のハードウェア業界では、プロトタイプ製品と量産製品は完全に別物で、プロトタイプ製品では高価な専用部品を使う一方、量産製品ではコストを下げ低価格化への圧力があるという。

一方、スタートアップ企業では、使えるリソースが少ないため量産は決定事項ではない。
仮に量産するとなれば、「プロトタイプ製品をなるべく使いたい、価格は若干高めでも良い」という希望がある。

リソースに余裕がある既存のハードウェア業界が作るプロトタイピングキットは高価で、例えばIoT製品でプロトタイプを作ろうとすると、プロトタイピングキットで数千円、通信モジュールで数百~数千円、プリント基板やセンサーで数千円と、1万円をゆうに超える上、サイズも名刺入れ程度まで大きくなってしまう。

そこで今回、個人やスタートアップ企業が簡単に使える、低価格の小型IoT向けモジュールを制作するに至ったという。

○東芝製SoCは手頃な価格で「全部入り」

今回、「BlueNinja」に採用されたメインSoCは、東芝の「TZ1001MBG」。東芝では「ApP Lite」シリーズとして、家電や産業機器、デジタルサイネージ用途など、数種類のSoCを展開しているが、この中でも小型かつ低消費電力の製品となる。小型パッケージである点、非常に低消費電力である点、Bluetooth 4.0を搭載している点、加速度センサーを内蔵している点、24bit ADC(アナログ・デジタル・コンバータ)により外部センサー情報を高精度に処理できる点といった特徴が岩佐氏のニーズと合致し、岩佐氏から東芝側に話を持ちかけ製品化に至った。「IoTに必要な機能が、全てワンパッケージに搭載されている。しかも、価格が高くない。
24bit ADCの搭載など、マニアックで面白い製品」(岩佐氏)。

東芝 セミコンダクター&ストレージ社 ロジックLSI事業部 事業部長附の松井俊也氏は、「DMM.make AKIBAは、モノ作りしていた子供の頃を思い出すワクワクする場所。東芝のLSIもこの活動の中に使ってもらい、一緒になって盛り上げていきたい」と話した。

「BlueNinja」という名称の由来は、「Blue」はBluetooth 4.0を搭載したモジュールから。「Ninja」は、ハードウェア・スタートアップを陰から支えること、小型機器に内蔵できる小ささ・薄さ・軽さであること、日本製であり忍者のように迅速なハードウェア開発を実現することという、3重の意味を込めたとのこと。8月1日・2日に東京ビッグサイトで開催される「Maker Faire Tokyo 2015」でも展示される。

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