2015年8月4日 10:00
半導体産業にM&Aの津波がやってきた - IC Insightsがその背景を分析
半導体市場調査会社の米IC Insightsはこのほど、「2015年は世界半導体業界にM&Aの"津波(tsunami)"が押し寄せている(Tsunami of M&A Deals Underway in the Semiconductor Industry in 2015)」と題するレポートを発表した。有力半導体企業がM&Aに力を入れはじめたのは、(1)マーケットシェアを拡大するため、(2)品ぞろえを豊富にしてモノのインターネット(IoT)時代にチャンスを掴むため、(3)高騰する研究開発費に対処するため、(4)中国が最近急に半導体産業振興に力を入れ始めてきたことに対処するため、などの背景があるとIC Insightsはみている。
同社は、世界半導体産業における買収企業がM&Aに要した額を過去数年にわたり集計した(図1)。例年、170億ドル以下だったM&A費用が、今年は上半期だけで720億ドル超に急増し、例年の4倍以上にも達している。2015年だけで、過去5年分のM&A費用を越える費用が使われていることになる。
○世界の半導体産業で起こるM&AのTsunami
まず最初に、2015年3月にオランダNXP Semiconductors(元Royal Philipsの半導体部門)