くらし情報『オキシトシン経鼻剤の連続投与で自閉スペクトラム症中核症状が改善 - 東大』

2015年9月4日 12:52

オキシトシン経鼻剤の連続投与で自閉スペクトラム症中核症状が改善 - 東大

オキシトシン経鼻剤の連続投与で自閉スペクトラム症中核症状が改善 - 東大
東京大学は9月4日、オキシトシン経鼻剤の連続投与によって、対人場面に現れる自閉スペクトラム症中核症状が改善することを発見したと発表した。

同成果は同大学医学部附属病院 精神神経科の山末英典 准教授らによるもので、9月4日に英科学誌「Brain」電子版に掲載される。

オキシトシンは、脳から分泌されるホルモンで、女性での乳汁分泌促進や子宮平滑筋収縮作用が知られている。また、脳の中でも作用していることが指摘されており、動物では、親子の絆を形成する上でオキシトシンの働きが重要であるとされるほか、人でも、健常な成人男性への経鼻スプレーを用いたオキシトシンの投与によって、他者と有益な信頼関係を形成して協力しやすくなること、相手の表情から感情を読み取りやすくなること、などが報告されている。

山末准教授らはこれまでの研究で、オキシトシンを1回経鼻投与することで、自閉スペクトラム症で低下していた内側前頭前野と呼ばれる脳の部位の活動が活性化され、それと共に他者の友好性への理解が改善されることを報告していた。一方、その後海外で行われた臨床試験において、連日投与では有意な効果を見出せないとされていた。

今回の研究では、自閉スペクトラム症と診断された20名の成人男性を対象に、オキシトシン経鼻剤を毎日2回ずつ連続して6週間使用し、使用前と使用後に対人場面での自閉スペクトラム症中核症状や脳機能などを評価した。

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