2015年10月28日 15:19
JAXA、ソニックブームの低減技術を世界で初めて飛行実証--コンコルドの半分
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月27日、スウェーデン・エスレンジ実験場において現地時間7月24日に実施した低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第2フェーズ試験(D-SEND#2)で計測したソニックブーム波形を解析した結果、全機低ソニックブーム設計技術を世界で初めて飛行実証したことを発表した。
ソニックブームとは超音速機から発生する衝撃波が地上で衝撃音として感じられる現象で、次世代超音速旅客機を実現する上でソニックブームを解決することは、重要な課題とされている。JAXAは研究開発を通じてJAXA独自のソニックブーム低減技術(低ソニックブーム設計概念と形状設計法)を構築し、その実現性を今回の飛行試験で実証すると共にソニックブームの国際基準策定に貢献可能な技術やデータを獲得した。
低ソニックブーム設計概念実証プロジェクト第1フェーズ試験(D-SEND#1)は2011年5月に実施。2種類の軸対称体を落下させ、空中でのソニックブーム計測システム(BMS)の確立と先端部の低ソニックブーム効果の実証した。
今回のD-SEND#2では、低ソニックブーム設計概念を適用した超音速試験機を飛行させ、計測したソニックブームによって設計概念を実証。