「31歳が分岐点」 - 法学部から映画の道へ進んだ監督・篠原哲雄さんの働き方
明治大学法学部から映画の道へ、助監督を経て31歳のときに分岐点を迎え、以来映画監督として数々の作品を撮ってきた篠原哲雄さん。最新作の『起終点駅 ターミナル』を11月7日に公開した監督に、その仕事論について伺った。
――篠原監督は、大学時代は法学部専攻で、卒論は映画論だったとお聞きしました
本当に私的な映画論でした。僕は法学部と言っても、専攻していたのが法文化論、法社会学だったので、法の周縁にあるもの、文化的な側面すべてをひっくるめて論文の対象にできたということもあり、あえて「極私的映画論」を書きました。担当教授の栗本慎一郎氏に映画で論文を書きたいと相談したら、映画の為の映画論ではなく、社会の為の映画なら書く意味があるかもと言われましたが、書いているうちに自分にとって何故映画なのかということを問いながら書いてしまった。個人的こだわりこそが普遍的なものにつながることを願いながらでしょうか。
――実際には、どんな論文だったんですか?
屁理屈こいてたんじゃないですか(笑)。当時の僕は、助監督をやったり、自主制作をかじったりしていました。
でも、映画に目覚めるのは遅かったんですね。10代後半に面白いなと思い始めたので。