2015年11月19日 11:13
佐賀県武雄市の「官民一体型教育」成功の背景には地域の協力があった
「塾の手法を取り入れた佐賀県武雄市の小学校の今--学校現場はどう変わったか」と題した前編では、現場の状況と制度導入の効果についてご紹介した。後編となる今回は、授業を進める上での課題や、学校現場の変化を経て地域がどう変わっていったのかについてお伝えする。
○公教育ならではのきめ細やかな指導がカギ
子どもたちが自ら率先して授業を受ける塾とは異なり、公立小学校にはさまざまな児童がいる。例えば、朝の時間(15分)を活用して国語や算数の反復練習を行う「モジュール学習」では、コミュニケーションがうまくとれなかったり、障害を抱えていたりする児童の参加が難しい。その際、学校の教員によるきめ細やかなサポートが欠かせないという。
さらに、月に1回全学年合同で行われる「青空教室」でも、教員の指導が光る。異なる学年で班をつくってゲームに挑戦したり、自然と触れ合う体験をしたりするこの授業では、児童が率先して協力していくことが必要だ。なかなかやる気をみせない児童に対しては、教員がうまく声がけをして、子どもたちのモチベーションをあげている。
○成功の背景に地域の協力
また、このような授業を限られた数の教員で行うことにも限界がある。