2016年1月8日 12:33
広島大学、突然死を引き起こす「ポックリ病」のリスク低減遺伝子を発見
広島大学はこのほど、不整脈により突然死を起こすブルガダ症候群(ポックリ病)の発症リスクを低減させる遺伝子を発見したことを明らかにした。広島大学大学院 医歯薬保健学研究院の木原康樹教授らの研究グループによるもので、突然死の予防や不要な治療による体へのダメージ抑制への期待が持てるという。
2,000人に1人が発症するとされるブルガダ症候群は、普段は全く症状がなく、致死的不整脈によって突然死を引き起こすため、「ポックリ病」とも呼ばれる。近年は、検診時の心電図(ブルガダ型心電図)などで症状のない無症候性のブルガダ症候群患者を早期発見できるようになっている。だが、突然死のリスクの予測判断材料として確立されたものはないとのこと。
今回、研究グループはブルガダ症候群の患者は、健康な人に比べて「HEY2遺伝子多型(rs9388451)」の変異型が多いことを確認し、特に無症候のブルガダ症候群に多いことを初めて発見したという。
研究グループは、ブルガダ症候群の患者(ブルガタ群)95人と健康な人(健常群)1,978人でHEY2遺伝子多型変異型の保有の有無を調査した。その結果、HEY2遺伝子多型変異型の保有率はブルガタ群(69%)