実質0円やめた影響、KDDIの田中社長は「来店者が減った」とボヤく
○販売奨励金を抑制した影響
まずは昨秋から今日までの流れをかいつまんで説明したい。総務省の主導で行われた有識者会議では、携帯電話料金の引き下げについて議論が交わされてきた。そこでやり玉にあがったのが、大手キャリアの「販売奨励金」による過度なキャンペーン合戦だった。これまで大手キャリアでは新規・MNPの契約者を呼びこむため、系列販売店に販売奨励金を支払い、それを元手にスマートフォンの「実質0円」や「キャッシュバック」をともなう販売を実現させてきた。販売奨励金の原資となるのは顧客の利用料金である。
そこで総務省は、携帯電話料金の高止まりを招く販売奨励金を抑制し、その浮いた経費で顧客の利用料金を引き下げるよう要請した。
各キャリアともこれに従う方針で、KDDIでも販売奨励金を減額。「実質0円」による販売も1月末で取りやめた。この結果、1月のauショップでは駆け込み需要の動きが見られ、2月に入ると来店者が大幅に減ったという。質疑応答で、田中社長は「スマートフォンの販売数には相当な影響が出ると思っている。(具体的な数について)現時点では読めないというのが偽らざる気持ち。もう少し待てば、お話できると思う」と説明した。
また、囲み取材で記者から「2月は何割くらい来店客が減ると予想しているか」と問われた田中社長は「1月31日などは、あふれんばかりのお客さんにauショップに来ていただいた。
どれくらい落ちるか。いま正確な数字はもっていないが、まあ2割は確実に落ちるのではないか。店舗によっては、もっと大きな影響が出るところもあるかもしれない」と力なく語った。
○ビジネスモデルにも影響
au WALLET Marketを展開するKDDIでは、リアルの店舗を重要な”顧客接点”と捉えている。これまではauショップに多くのユーザーを呼びこみ、店頭で携帯電話・スマートフォン以外の商品購入を促してきた。しかしショップの来店者が減ってしまえば、このビジネスモデルは崩れかねない。これについて記者からコメントを求められると、田中社長は「頭の痛い問題。お客さんにお店に来ていただけるような、色んな方法を考えていかないといけない。
これからも機種変更などで訪れる方はいる。長期的に見れば来店者数は戻るかとも思うが、その間にお客さんの興味の対象が別のところにいってしまうのが怖い」と表情を曇らせた。
別のところにいってしまう”お客さんの興味の対象”には、ここ最近影響力を強めているMVNOも含まれているのだろうか。決算発表会では、純増数が前年同期比で10万人減となること、解約率が前年同期比でやや上昇したことが発表された。その理由について記者団からコメントを求められた田中社長は「理由は2つ。ひとつはMVNOさんに出ていかれる方がいた。もうひとつはMNPを利用して解約・新規契約を行ったり来たりする人が増加したため」と分析している。なおKDDIグループ傘下には、UQコミュニケーションズが提供するMVNOの「UQ mobile」が存在する。
田中社長は、「これからUQ mobileに頑張っていただかなくては困る」と奮起を促しつつも「(結果が出るには)もう少し時間がかかるかもしれない」と続けた。
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