小関裕太、『ハリポタ』から大きな影響 俳優業にもプラス「想像力を豊かにしてくれた」
●夢はシリーズ出演「杖を発光させながら敵と戦う一人に」
『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』のハリー・ポッター魔法ワールド最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が4月8日より公開される。今回、シリーズ第1弾となる映画『ハリー・ポッターと賢者の石』を映画館で11回鑑賞するなど、幼少期から長年にわたって同シリーズを愛し続ける俳優・小関裕太に、同シリーズへの思いや影響を受けたことなど話を聞いた。
――ハリー・ポッター魔法ワールド全体そして最新作『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』への思いをお聞かせください。
思いとしては、『ハリー・ポッターと賢者の石』から始まって、この魔法ワールドの世界観に、幼稚園の年長の時に魅せられて虜になりました。今までは、『ハリー・ポッター』シリーズの時は原作が先に発売されて、その後映画化されていましたが、今回の『ファンタスティック・ビースト』シリーズに関しては、映画で初めて情報が公開されて、後から本になる。初めて明かされるダンブルドアの秘密や、この『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』の世界の秘密がわかることをすごく楽しみにしています。
――今作ではタイトルで“ダンブルドアの秘密”と銘打っていますね。
ファンの人なら、ダンブルドアにはたくさん秘密があるというのはわかってはいると思いますが、その秘密が一体何なのか。
今まで、ダンブルドアには兄弟がいるとか、兄弟の中でどんなことやどんな事件があったとか、そういうことには触れられていますが、その時のダンブルドアの心情や苦悩、悔しさは描かれていなかった。最新作を通じて、ダンブルドアの苦悩や失敗の部分が見えてくると思います。ニュート・スキャマンダーだけにしか明かさないこともあるでしょうし、ニュートにも明かさないことを視聴者が見られるシーンがあるかもしれません。今作によってダンブルドアの見方が変わってくるんじゃないかなと思います。『ハリー・ポッター』シリーズが好きな人も含めて、この魔法ワールドシリーズの分岐点、節目の瞬間をぜひ目撃してほしいです。
――ダンブルドアの心理面が一つの注目ポイントだと。
人が苦悩する姿というのは、こっちも苦しくなるから見たくないものですけど、『ハリー・ポッター』シリーズの一ファンとしては、ダンブルドアの苦悩している姿は見てみたいです。ダンブルドアは、史上最も偉大な魔法使いとして、いろんな人から慕われて、偉業を成し遂げてきている人です。
どんなにすごい人でも「こういう過去があるんだ」と感じられたら、映画を観る方自身の糧にもなるんじゃないかなと思います。
――小関さんも参加した2月のファンフェスタでは、シリーズ全作のプロデューサーであるデイビッド・ヘイマンがビデオメッセージで「今後日本が作品の舞台になるかもしれない」と話していました。もし関われるなら、どういう立場で、何をしたいですか?
やっぱり出演したいですよね! 出演するということは夢の一つです。それは3年前に実際キャストの方々とお会いしたときからずっと夢として抱いています。
――どんな役で出演したいですか?
僕の妄想で言いますと……闇の魔術に対する防衛術に関わる役で出たいです。この魔法ワールドシリーズで僕が特に好きなのは戦うシーンなので、僕も杖を発光させながら敵と戦う一人になりたいです。夢が叶うよう頑張ります!
●ファッションにも影響「ローブっぽいものに惹かれる」
――小関さんが感じる『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』のシリーズの魅力を教えてください。
何よりも、夢を見せてくれる作品ですね。
いろんないい要素があって、実は史実にもとづくエピソードがあったりもします。人間模様もファッションもそうですけど、いろんな注目ポイントがあります。僕は、人生がハリー・ポッター魔法ワールドから始まったと言っても過言ではない状況で過ごしてきました。小さい頃に「もしかしたら自分も魔法が使えるかもしれない」「僕もローブを着てみたい」と思うときもあり、最近はお仕事で制作陣やキャストの方々にお会いできる機会が増えて「この人にこれ聞いてみたい」と考えるようになりました。
――大人になるにつれて幼少期に好きだったものに飽きたり、他のものに目移りしたりする人もいますが、小関さんが幼少期から変わらず魔法ワールドを愛し続けるその熱量の原動力とは?
なんですかね……不思議です(笑)。僕も、何でもかんでもずっと同じものを好きでいるわけではないです。ハリー・ポッター魔法ワールドとタップダンスと芸能界のお仕事。この3つだけがずっと続いていることです。
――ご自身で推察する、その3つの共通点は何かありますか?
どれも、エンターテインメントとして完璧に近い、ということですかね。ワクワクをくれる点。『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズで言うと、僕はファンの一人として「次どうなるんだろう?」「新作で何が起きるんだろう」など、一つ一つ妥協がなく、緻密だからこそワクワクが続いているのかもしれません。
――以前イベントに登壇された際に「『賢者の石』は僕の考え方のベースになっている。生き方を変えてくれた」とおっしゃっていました。今あらためて振り返って、ご自身の生き方・考え方に関してどのような点で影響を受けていると感じますか?
まず挙げられるのが、世界観や人間関係でしょうか。『ハリー・ポッター』も『ファンタスティック・ビースト』も緻密に作られていて、「人がこうしたら、こうなるよな」というような、恋模様や恨みつらみ、感動の喜び、愛あるいは愛のなさなどが描かれています。ファンタジーと現実味のちょうどいいバランスのところに作品があるので自分自身の心情に重ね合わせやすいと思います。
そして「次の展開どうなるんだろう?」「この人の本当の思いってどうなんだろう?」という点にも興味を抱いたので、小さい頃から感覚的に魅せられてたのかなと思います。
――特にご自身が強く影響を受けている部分は? または似ていると思う点は?
まずはファッションですね。服はローブっぽいものや、イギリスのカルチャーを感じる色合いに惹かれます。例えばメガネも、ハリー・ポッターに寄せて丸メガネや、イギリスのレトロでアンティークなものを選んでいる傾向があります。ファッションで受けた影響は強いです。
●「覚悟をより一層持つように」役者としての心構え語る
――『ハリー・ポッター』や『ファンタスティック・ビースト』では華やかな世界が描かれます。ご自身が芸能界に興味を持ったのも、そうした影響からでしょうか?
きっかけは、気づいたら入っていた、という感じです(笑)。ただし、続けられているのはハリー・ポッター魔法ワールドが一つの大きな理由だと思います。
――大きな理由とは?
作品がファンタジーなので想像力を養えます。自分がいただいた役のキャラクター性を膨らませるために、「もしこの役にこういう面があったらどうなる?」と想像力を働かせて考えないといけません。ハリー・ポッター魔法ワールドの世界観が、僕の想像力を豊かにしてくれたのは間違いないと思います。――2003年の芸能界デビューから約19年。子役から俳優へと成長していく中で「俳優として生きていくんだ」と覚悟を決めたのはどのような瞬間ですか?
高校を卒業したタイミングですね。高校3年生のときに『FROGS』という初主演舞台をやらせていただいて、この業界の大変さを改めて痛感しました。大変さを知ったからこそ、逆にチャレンジしてみたいと思いました。当時、大学入試の用意もして学業との両立を考えたんですけど、お芝居の仕事を通して自分にどれだけの覚悟があるのか試してみたくなりました。
最近、作品を選ぶときに覚悟をより一層持つように心がけています。オファーを受けた段階で、どうやって取り組むかよく考え、しっかり覚悟を持って挑みたいと思っています。
――以前に増して、オファー段階で熟慮するようになったと。
「やります」っていう一言は、すごく覚悟がないと言えない言葉だなと年々強く感じるんです。お仕事でも学業でも「『やります』って言った以上はやってよ」と責任が生じると思います。その責任って、考え方一つ変えればすごく楽しいものです。「期待以上のものにしよう」と思う部分もありますし、どんなに大変な時期でも「やります」と言った以上は全うしないといけないという気持ちは心の中にあります。
――責任が、強い興味や熱意とつながっていると。
作品の企画段階では、プロデューサーや監督演出家、脚本家の方のほうがその企画に携わっている期間が長いです。だからといって、その人たちの熱意に負けてはいけないなと思っています。同じ熱量で役や作品のことを話せるようになるには、覚悟の大きさが大切です。だから初めの「やります」という言葉は強い覚悟を持っています。
■小関裕太
1995年6月8日生まれ、東京都出身。2003年に子役として芸能界デビューし、CMやドラマ、映画、舞台などに出演。2006~2008年には『天才てれびくんMAX』(NHK)のテレビ戦士として活躍した。近年の出演作は、ドラマ『来世ではちゃんとします』シリーズ(テレビ東京)、『知ってるワイフ』(21/フジテレビ)、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(21/日本テレビ)、映画『シグナル100』(20)、『ライアー×ライアー』(21)、舞台『モンティ・パイソンのSPAMALOT』(21)、『The View Upstairs-君と見た、あの日-』(22)など。主演ミュージカル『四月は君の嘘』が5月7日~7月3日に上演予定。