去年の中国からの訪日旅行者数は一昨年のおよそ2倍の499万人。各地では中国人であふれかえっている。しかしこの見慣れた光景は変化している。
○中国人観光客の消費に依存する百貨店など
昨年12月期連結決算の最終利益が前期比6.5倍だった「ラオックス」。2月7日、銀座店前では、ひっきりなしにバスが発着し、見わたせば中国語を話す人で歩道が占領されるおなじみの風景が広がっていた。“爆買い”の代名詞ともいえる銀座店は、今年も引き続き好調のようだ。というより買い物に慣れてきたのか“もっとほかに何かないか”と探しているようで、買い物への意欲はさらにパワーアップしているようにみえた。
ここで降りた中国人観光客は近くにある百貨店などに吸い込まれていくのがお決まりのコース。
今年1月の全国百貨店の訪日外国人の売上高は36.2%増と36ケ月連続での増加(日本百貨店協会調べ)で消費意欲は続いている。百貨店全体の売上高は前年同月比でわずかに減っているため、ここのところ外国人の消費依存の傾向もみえている。
一方で、消費の動向は高額品のまとめ買いから付加価値商品にシフトしているという。実際、一昨年10月から免税品目に入った化粧品の売上高の伸び率が18.4%となっている。