2016年2月24日 21:57
TMDU、物理刺激と腱の成熟を結びつける遺伝子メカニズムを解明
東京医科歯科大学(TMDU)は2月24日、運動に応答する腱の遺伝子メカニズムを解明したと発表した。
同成果は同大大学院医歯学総合研究科システム発生・再生医学分野の浅原弘嗣 教授と嘉山智大 特別研究生の研究グループと、東京慈恵会医科大学整形外科学講座の共同研究によるもので、2月16日付の国際科学誌「Molecular and Cellular Biolog」オンライン版に掲載された。
これまで、腱や靭帯には力学的ストレスが重要であると考えられていたが、腱・靱帯に重要な遺伝子が不明であったことから組織に加わる外力がどのように細胞内を伝達し、腱・靱帯遺伝子の発現へとつながるかはわかっていなかった。
浅原教授の研究グループはこれまでの研究で、腱を構成するI型コラーゲンや腱線維をつなぐプロテオグリカンの産生に必須な遺伝子であるMohawk(Mkx)を発見しており、Mkxノックアウトマウスでは腱・靱帯が菲薄化することを確認している。
今回の研究では、マウスの適度なトレッドミル運動によりアキレス腱でMkxの発現が上昇することを確認。また、I型コラーゲンの発現上昇、コラーゲン繊維の肥大化も認められた。