●女性は男性よりも発症率が高いというデータも
ユニバーサル ミュージック ジャパンはこのほど、所属する歌手・徳永英明さんが「もやもや病」(ウィリス動脈輪閉塞<へいそく>症)と診断され、手術を受けたことを明らかにした。病名を聞いただけでは、いまいち具体的な症状が浮かんでこないもやもや病だが、その実態はどのようなものだろうか。
本稿では、高島平中央総合病院脳神経外科の福島崇夫医師の解説をもとに、もやもや病の症状や原因についてわかりやすく紹介する。
○30~50歳の中高年と子供に発症が多い
もやもや病はわが国で最初に発見され、脳に栄養を送る太い動脈(内頸<けい>動脈)が何らかの原因で詰まり、不足した血液を補うために内頚動脈から細い動脈が発達することで起きる。この異常に発達した細い血管網を脳の画像で見た際、たばこの煙が立ち込めているかのように見えたところから「もやもや病」と名付けられたとも言われている。
もやもや病はアジア系人種での有病率が高く、欧米ではあまり見られない。女性の発症率が男性よりもやや高いとも報告されており、発症年齢のピークは「5~10歳」と「30~50歳」