東工大、重い酸素同位体26Oの質量を高精度測定 - 核力などの解明に手がかり
同成果は、東京工業大学大学院 理工学研究科 近藤洋介 助教、中村隆司 教授、理化学研究所(理研) 仁科加速器研究センター 大津秀暁 チームリーダー、米田健一郎 チームリーダーらの研究グループによるもので、3月9日付けの米国科学誌「Physical Review Letters」電子版に掲載された。
天然に存在する安定な原子核は陽子数と中性子数がほぼ等しいが、中性子数を増やしていくと不安定になり、さらに中性子数を加えていくと、中性子を原子核に結びつけておくことができなくなる。陽子の2倍以上の中性子を含む26Oの場合、最後の2個の中性子は結合されていない非束縛の状態にあることが実験的に知られていたが、束縛に必要なエネルギーや非束縛の度合いはこれまでわかっていなかった。
今回の研究では、寿命が極めて短い同原子核を、理研RIビームファクトリーにおいて48Ca(質量数48のカルシウム同位体)→27F(質量数27のフッ素同位体)→26Oという2段階の反応で生成し、26Oの基底状態および第一励起状態の質量を高精度で求めることに成功。その結果、基底状態の26Oは、2個の中性子を原子核に結合させるのに、わずかに18KeVだけ足りないだけの特異な共鳴状態であることが明らかになった。これは通常2個の中性子を結合しているエネルギー約16MeVに比べると、1/1000程度の値である。
これ以上中性子を束縛しておけなくなる原子核の限界は「中性子ドリップライン」と呼ばれているが、酸素同位体では、付けられる中性子の数が隣のフッ素同位体より6個も少なく、この原因が不明であることが問題となっていた。
今回、高精度で決定されたドリップラインを超えた原子核である26Oの質量は、この「酸素ドリップライン異常」という謎を解明するための鍵になると考えられる。
また同研究グループによると今回の成果は、いまだに謎の多い陽子と中性子を結びつける「核力」や、中性子が過剰になったときに発現する「魔法数の異常」の理解にもつながることが期待されるとしている。
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