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新木優子、声優初挑戦でコンプレックスだった声に自信「強みに変えていけたら」

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新木優子、声優初挑戦でコンプレックスだった声に自信「強みに変えていけたら」

●『トイ・ストーリー』アフレコ秘話
女優・モデルの新木優子が、ディズニー/ピクサー映画『トイ・ストーリー4』(7月12日公開)に登場する新キャラクター“ギャビー・ギャビー”の日本語吹き替えで声優に初挑戦した。おもちゃたちと子どもたちが織りなす感動のドラマを描く本作での経験を「すべての作業がすごく新鮮で楽しかった」と振り返る新木に、アフレコの舞台裏、声に抱いていたコンプレックス、演技の楽しさを教わった恩師との出会い、女優としての転機などについて語ってもらった。

――アンティークショップで暮らすギャビー・ギャビー役で声優初挑戦となりました。多面的なキャラクターであるギャビー・ギャビーからは、可愛らしさや切ない思いが感じ取れますが、収録ではどんな面を楽しめましたか?

私にとっては全てが初めての経験だったので、すべての作業がすごく新鮮で楽しかったんですけど、中でも特に楽しかったのは、自分の声を収録した後にその声が映像とともに流れてくることですね。すごくうれしかったですし、「これが皆様に届く映像になるんだ」と実感できました。自分の声を改めて画と照らし合わせて聞くことによって、より一層、どんな風に表現しようとイメージすることもできました。

――以前から声のお仕事もしてみたいとおっしゃってきたかと思います。今回の作品を通じて、自分の声をもっと好きになれたり、自信を持てたといった、ポジティブな変化はありましたか?

もともと、普通の人よりも1トーン低い声がコンプレックスではあったんです。
でも自分の声を「いいね」と褒めていただけるようになって「自分の声はコンプレックスに思うようなものではないんだな。むしろ、人とは違う強みにしていけたらいいな」と、ずっと思っていました。そうやって褒めていただくことがうれしかったんですけど、今一歩、自分の自信につながるものがなかったんですよね。

でも今回、ギャビー・ギャビーを演じ、完成品を見せていただいたことで、自分の声に対して自信が持てるようになったというか、彼女の魅力の一つになれていたのかなと思うことによって、自分の声も受け入れることができたんです。それは今回のお仕事のお陰だなと思っていますね。

――ギャビー・ギャビーも、自分の声を出すための「ボイスボックス」がうまく作動しないことが、おもちゃとしてのコンプレックスになっていますよね。そういう意味で、ギャビー・ギャビーに共感できました?

共感できる部分はすごくありました。声以外にも、私には細かい部分で女の子らしいコンプレックスがあったりするんです。
そういう悩みは人一倍ケアするんですけど、それが逆に楽しかったりもするんですよね。むしろ、悩みがあったからこそプラスの経験をたくさんさせてもらっているなあとも思うんです。ギャビー・ギャビーも後々に気づくけど、コンプレックスをいかに次のステップとして進んでいけるかが大事だと思うので、コンプレックスを活かしてこれからも向上していきたいです。この作品によって自分の声を受け入れることができたので、どんどん強みに変えていけたらいいなと思います。

――ギャビー・ギャビーには印象的なシーンがたくさんありますが、新木さんのお気に入りのシーンは?

ボニーのためにフォーキーを取り返さなきゃいけないと思い、1人でもやることをやると決めたときに、ウッディとギャビー・ギャビーが話すシーンです。ギャビー・ギャビーの思いがすごく強いこともわかるし、それを聞いているウッディも、ちゃんと心が動かされている感じがあるんですよね。私自身、夢のようなシーンでした。『トイ・ストーリー』の中でしっかりとギャビー・ギャビーの思いを声に乗せて表現できたのかなと思うシーンでもあったので、すごく印象に残っています。


――ウッディとの掛け合いは、唐沢寿明さんの声がすでに入っていた状態でしたか?

最初に自分の声を合わせたのは、英語版声優のトム・ハンクスさんのお芝居でした。自分の声を入れ終わった後で聞くときに、ウッディの声が唐沢さんの声になっているという感じだったので、リアルなお芝居の間とかは英語版だったので、ちょっと難しい部分はあったんです。でも、照らし合わせるときには唐沢さんの声が入っていたので、すごくイメージしやすかったですし、楽しくやらせていただきました。

――本作で声優を務めたことは、女優としてのキャリアにどんな面でプラスになっていくと思いますか?

今回挑戦してみて、声だけで表現することがすごく大変だと学べました。今までは映像で出させていただいて、声だけじゃなく、表情や仕草で表現していて、どれだけ助けられていたか、頼りすぎてしまっていたかということをすごく感じましたね。本作を通じて、声に説得力があることはすごく大切なんだなと思いましたし、声のトーンや表現一つで、相手への伝わり方が変わることを実感できたので、この経験を映像でも活かしていきたいなと思いました。●少女時代から大切にしているもの

――ボニーやギャビー・ギャビーが出会う子たちも含め、本作では女の子の姿が印象的に描かれています。新木さんは子どもの頃、どんな女の子で、どんなことをして遊んでいましたか?

活発でしたね。
どちらかというと、中で遊ぶよりも外に出ていました。おままごとよりも、木登りしたり(笑)。割とそういう遊びの方が好きでした。

――そんな新木さんが、子どもの頃から大切にし続けているものはありますか?

すごく小さい頃に買ってもらった豚のお人形があって、それは今もありますね。

――いくつぐらいの時に買ってもらったものなんですか?

5歳くらいかなあ。今年で26歳になるんですけど、20年以上もずっとそばにいるんです。

――どういうところが気に入っていますか?

すごく癒やされるというか…。親豚の上に2匹、子どもがいるんですよね。
なぜかそれまでは物を欲しがらなかったらしいんですけど、ある日にお出かけしたときに、珍しく、その人形だけ手放さずに動かなかったらしくて。それくらい、物心ついた頃から安心感があったのかな(笑)。今でも見ると癒やされますし、すごくほっこりします。

――『トイ・ストーリー』はシリーズを通じて、観客の子供たちが成長できる物語になっています。新木さんが「大人になったなあ」と実感したエピソードはありますか?

すべての感覚が違いますよね。金銭感覚だったり、人間関係も。本作のボニーは、保育園に行っても友達がいなくて葛藤しているんです。そういうのって大人になってもあることですけど、経験を積み重ねていくことによって自分なりに苦じゃない人との距離感を学習していったりする。
最初はボニーのように「怖い」と思っていたことを「今思うと、何で怖がっていたんだろう?」と思うようになったのは、すごく大人になったなあと感じます。

人との距離感は、小さいときとは全く違うし、学生の時と比べても全然違いますね。あの頃は友達がすべてというか、自分だけじゃなくて周りにいる人たちがすべてでしたけど、今は自分のことをしっかり中心に据えて考えられるようになりました。もちろん、周りの人も大事だけど、自分も大事だと思うようになったのは、すごく大きいかなと思います。

●恩師から教わった芝居の楽しさ

――新木さんは小学生の頃にスカウトされて芸能界入りし、モデル・女優として活躍されてきました。最初にお芝居の楽しさを実感したのはいつのことでしたか?

中学生の頃に、事務所の演技レッスンに通わせていただいていたんです。あの頃はすべてが新鮮で、その時の先生がすごく厳しかったんですけど、一人の役者・女性として扱ってくださる先生だったんです。その時は「怖い」と思っていたけど(笑)、自分の中で「先生がどうやったら楽しんでくれるかな?」「どうやったら先生を驚かせられるかな?」と、頭の中で方向転換していけた時期がありました。
レッスンに行く電車の中とかで「今日の演技レッスンでどういう風に先生を面白く思わせよう?」と考えていたときは、すごく楽しかったです。演じる楽しさは、その先生から教えていただけていたかなと思いますね。

――その後、様々な作品に出演してきたわけですが、これまでのキャリアを振り返って、ご自身の転機になった出来事や作品は?

より一層自分に自信がついたのは『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』ですかね。本当に全く経験がない中で、大御所の先輩の方々とご一緒する機会がありました。その後、すぐに『コード・ブルー』に出させていただいて。『コード・ブルー』でも大先輩の方々とご一緒させていただく機会がありました。それまでも気を抜いていたわけではなかったですけど、より一層気を張って、脇を締めて、しっかり自分の役と向き合わなきゃいけない!という状況に、作品を通して置いていただいていたのが、私の中ではすごく大きかったかなと思います。

――ピクサー作品は世界的なコンテンツです。世界的と言えば、先日にはDiorのショーを鑑賞するために、フランスのパリを訪れていましたよね。そういった国際的なお仕事は、どんな面で刺激的なのでしょうか?

本当にすごく貴重な経験だなと思います。海外に行くと不思議なことに「なんで自分ってこんなに小さいんだろう」と感じますし、自分の存在がまだまだどれだけ小さいかに気づいて「もっともっと大きくなりたい、ならないといけない!」と、自分が今まで想像もできなかったような自信が漲るんです。それが海外のパワーですね。悩んでいたり、仕事で不安だったり、そういうことも「なんでこんなに不安に思っていたんだろう?」と、海外に行くことによって思考が全く変わるんです。

世界のフィルターを通して見ると、自分が思っているよりも自分が悩んでいることはちっぽけで、どれだけ狭い視野の中で不安になったり、落ち込んだりしているんだろうと思えますね。落ち込んでいるときに行くと、すごく元気になるし、元気な時に行くと、より一層「もっと頑張りたい!」「もっと色々なことをしたい!」というポジティブな気持ちになります。もともとそんなに悲観的ではないんですけど、そういう気持ちにさせてくれるので、定期的に行かせていただく機会があることは、すごくありがたいなと思います。

とは言っても、お仕事で自信がない時期もあったりするんですよね。そういう時に、どれだけ忙しくても海外のお仕事があると、自分の気持ちをリフレッシュできるし「頑張ろう!」と思えるので、すごく大切ですし、これからもご縁があれば、どんどん海外のお仕事も挑戦させていただきたいですし、頑張りたいなと思っています。

■プロフィール
新木優子
1993年12月15日生まれ。東京都出身。小学生の時にスカウトされたことがきっかけで芸能界入り。2014年から女性ファッション誌『non-no』の専属モデルとして活動中。Diorのコレクションなどにも出席している。『錨を投げろ』(08)で映画初主演、ドラマ『ラブラブエイリアン』(16)で連ドラ初主演。映画では『あのコの、トリコ。』(18)、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2018)、『悪と仮面のルール』(18)などにも出演。ドラマでは『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(2017)、『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(17)、『SUITS/スーツ』(18)、『トレース~科捜研の男~』(19)などに出演してきた。

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