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繰り返し起こる「大地震」で家が「ゆれ疲れ」!? 地震に対する住宅の備え

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繰り返し起こる「大地震」で家が「ゆれ疲れ」!? 地震に対する住宅の備え
2011年3月11日に起こった東日本大震災。それ以来、防災などに対する意識は非常に高まっているといえる。しかし、余震を含め、大きな地震は何度も起こっている。この繰り返し発生する地震による家の耐震性能は大丈夫なのだろうか。

東日本大震災においては、本震災の揺れは約6分間。その間に大きな揺れが2回発生している。これは、建築基準法の想定を上回る状況だという。この繰り返しの地震によって起こる住宅の「ゆれ疲れ」に対する備えはどうすればいいか。
大和ハウス工業 総合技術研究所 建築技術研究室 住宅工法開発グループ グループ長の山内正康氏に話を聞いてみた。

○繰り返す地震に対する住宅の備え

――繰り返す地震によって家屋はどういった影響を受けますか?

過去20年間に震度7の巨大地震は3回発生しています。東日本大震災においては、震度7の本震の後、約2カ月間に、震度6弱以上の余震が4回発生しています。一般的な住宅は、大地震を受けることで、外装材や内装材が損傷する場合があります。また、地震によっては構造体も損傷し、補修が必要な場合もあります。さらに、複数回にわたって繰り返し大地震を受けることで、建物の構造体の損傷が少しずつ拡大し、耐震性能が徐々に低下していく可能性があります。その後、さらに大地震を受けると、倒壊にいたる可能性がでてきます。

――なんだか難しいですね。
家がどんどん弱っていく感じでしょうか? 「ゆれ疲れ」としてはどうでしょう? では、どうやってこのゆれ疲れ物件を見極めればよいでしょうか? もしくは今の自宅についてのゆれ疲れ度などは測れるのでしょうか?

簡単な方法としては、建物の状態を定期的に調べておくことで、地震の前と後でどれぐらい建物がダメージを受けたかを推測することができます。例えば、内装壁仕上げ材(クロス等)の切れや割れの状況から、建物のダメージがある程度は推測できます。また、扉の開閉がきつくなったり、襖と枠の隙間が上下で大きく違うといったことから建物が傾いている可能性がわかります。やはり信頼できる専門家に依頼して耐震診断を受けるほうが確実です。

――地震に強い家を選ぶにあたって、耐震性能の見方や、注目すべきポイントはなんでしょうか?

耐震性能は、まず、全ての構造部材(基礎、柱、梁、接合部など)の強度が確保されていることが前提になります。その上で、耐力壁(地震に耐えるために必要な特別な壁)が必要以上かつバランスよく配置されているかがポイントになります。ただし、これは専門的な知識がないとわかりにくいことです。

一般の方に住宅の性能を分かりやすくする表現するため、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」にて、「住宅性能表示制度」の運用が開始されました。
耐震性能には3段階の耐震等級が設けられています。耐震等級1(建築基準法と同じ強さ)、耐震等級2(建築基準法の1.25倍の強さ)、耐震等級3(建築基準法の1.5倍の強さ)の3段階です。当社の戸建住宅は耐震等級3を標準にしています。

――「ゆれ疲れ」に弱いとわかってもすぐ家を建替えるのは難しいという人が多いと思います。今の家でのゆれ疲れ対策、もしくは家のケアはどうすればいいでしょうか?

直接的な対策ではないですが、耐震補強することで地震に強い家にすることができます。
耐震補強せずにできる地震対策には、建物上部の軽量化があります。これにより建物が地震から受ける力を軽減できます。具体的には、屋根材を重い瓦から軽いスレートに葺き替えることがお勧めです。
また、2階や3階に置いてある重量物(家具や大量の書物など)を1階に下ろすことも有効です。しかし、万全を期すためには、耐震診断を受けて、必要に応じて耐震補強することをお勧めします。補助金制度や所得税控除もあるので検討してみてはいかがでしょう。

一方で、耐震性能を維持するには、構造部材を劣化させない(腐らせない、錆びさせない)ことが必要です。そのためには、防水・防錆・防腐・白アリ対策などが重要になりますので、定期的に点検・補修を受けることをお勧めします。また、外壁材に隙間がないか、床下に水が溜まっていないか、土台が腐ったり錆びたりしていないかなど、ご自身で確認してみるのもよいと思います。

繰り返す地震によって起こる住宅の「ゆれ疲れ」。地震の多い日本では、ますますその対策が重要になってくる。
いかに住宅に対する損傷を最小限にとどめるか……今後の地震対策においては重要なポイントになってくるだろう。

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