航空トリビア (17) なぜLCCの旅は自由度が高いのか
運賃が激安だとか、機内食や預け荷物が課金制だとか、低コスト航空会社(LCC)が従来の航空会社(レガシーキャリア)と違う点を挙げればキリがない。
でも、実際にLCCを使ってみると、旅行者にとって一番の大きな違いは、旅行の自由度だと分かる。
日本人の海外旅行が自由化されたのは1964年。
当時は様々な制約があり、原則的に一般旅行者はパッケージツアーでしか海外へ行けなかった。
大手旅行会社が企画するツアーで、もちろん値段もベラボーに高かった。
その後、80年代後半からエイチ・アイ・エスに代表される格安航空券を販売する旅行会社が台頭して航空券代は下がったが、自由度のなさは今でも相変わらずだ。
基本的に1社の路線しか使えないため行き先は一定の都市とルートから選ぶしかなく、乗り継ぎ便だと行きも帰りも同じ都市に寄るので効率が悪い。
必ず行きと帰りの便を購入してから出発するのもツアーが基準になっているからだ。
さらに、格安航空券は予約が確定するかどうかが旅行会社の都合で決まり、やきもきさせられるのも難点だ。
ところが、である。
LCCの航空券は片道単位で購入でき、旅程も自分で自由に決められる。