南アフリカでは8月中旬、賃上げを求めてストライキ中だったプラチナ鉱山労働者に対して警官隊が発砲し、100人を超す死傷者がでました。
この事件をきっかけに、他の鉱山にも賃上げ要求の動きなどが広がったほか、製造業においても労働争議が見られるようになりました。
また、こうした事態を受け、格付会社のムーディーズは9月27日、政府の統治能力が弱まっていると指摘し、同国の長期国債格付を「A3」から「Baa1」へ1段階引き下げたほか、格付の見通しを「ネガティブ(弱含み)」で維持しました。
さらに、10月5日に、大手鉱山会社がストに参加した従業員1万2千人の解雇を決定すると、労使間の対立が一層激しくなりました。
そして、週明けの8日に南アフリカ・ランドは一時、1米ドル=9ランド近くまで売られ、9月末比で約8%の下落となりました。
しかし、足元では、欧州の政府債務問題を背景とする投資家のリスク回避姿勢が再度、強まりつつあるものの、ランドは8.7ランド前後へと反発し、9月末以降の下げ幅の3分の1程度を回復しています。
(※上記グラフ、データは過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。