2012年10月24日 16:13
群馬県碓氷峠で人気の駅弁「釜めし」には、温かい歴史が詰まっている!
ゴトンゴトンと電車に揺られながら、窓に流れる風景を楽しむ。
新幹線や飛行機であっという間に目的地につけるようになった今でも、ゆっくりと電車に乗って旅をする時間の魅力は色あせない。
そんな時、旅の楽しみのひとつは「駅弁」。
その土地のおいしさがいっぱいに詰まった弁当は、旅の思い出に花を添えてくれる存在だ。
そんな駅弁の中でも、非常に人気のある駅弁がある。
群馬県安中市松井田町にある「荻野屋」が販売している駅弁「峠の釜めし」だ。
わざわざ遠方から買いにくる人もいるという「釜めし」の魅力はどこにあるのだろうか。
創始者の高見澤政吉・とも夫妻は明治中期にさしかかる頃、横川で旅館「荻野屋」を経営していた。
そこで信越線開通の情報を耳に、横川駅で駅弁屋を始めることを考えた。
はじめのメニューは「おにぎり2個+たくあん」。
それらを竹の皮に包んだ簡素なものだったそうだが、これがよく売れたのだという。
戦後、旅行客は増えていったが、この頃の駅弁はどこも似たような内容だったため飽きられつつあった。
荻野屋の弁当も例外ではなく、1日50個作って30個ほどしか売れないという、業績不振にみまわれていたのだという。