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【エンタメCOBS】知ってる? 今、名画座が熱い!

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【エンタメCOBS】知ってる? 今、名画座が熱い!
もし東京に住んでいるのなら名画座に行かない手はありません!「ロードショウが終わった最新作」を安価にかける2番館的な意味ではありません。なかなか見られない、でも見てほしい名作を独自のプログラムで提供してくれる良心的な映画館があるからです。その「名画座の熱さ」を紹介しましょう。

「ここはスゴイよ」と映画通から指名される名画座があります。それは『新文芸坐』、『ラピュタ阿佐ヶ谷』、『シネマヴェーラ渋谷』、『神保町シアター』、『銀座シネパトス』の5館です。この名画座では、それぞれ独自のプログラムを工夫して名作を提供しています。

■ニュープリントでキレイになったり!
またここ最近は、特に日本映画の名作の発掘、上映が盛んです。というのは、DVD化、デジタルリマスターといった作業の中で旧作フィルムのリファインが行われ、それが時にニュープリントされるのです。
すると、今までは古いフィルムでしか見られなかった旧作が、なんと名画座ではニュープリントで見られるなんてことが起こるのです。しかも、あらためて見直してみると「えっ、これ面白いじゃん!」てなことも。

映画ファンは「名作、佳作の再発見」という喜びを見いだして、東京の名画座を回遊しているという現状になっています。この現状を踏まえて、新文芸坐店長の矢田庸一郎さんにお話を伺いました。

--ここ最近日本映画の封切数が洋画よりも多くて、邦画ファンも増えているようですが名画座にもその影響はあるでしょうか?

矢田さん「うーん、本当にことを言っちゃうと名画座に来るお客さんはやはり年配の方が多いですけどね(笑)。もちろん若い方もおられますが。本当に映画の好きな人が来られているという感じでしょうか」

--矢田さんご自身もやはり映画がお好きですか?

矢田さん「そうですね。やはり映画が好きですからね。
日本映画の黄金期を知っている人間からすると、その時期の映画を若い人にもっと見てほしいと思ってます。巨匠と呼ばれる映画監督の作品を見てほしいと思いますからね」

--映画ファン、マニアが日本映画の名作、佳作を求めて新文芸坐さんなどの名画座を回遊しているという状況がありますが……。

矢田さん「独自の特集などを組んでお客さんに喜んでいただけるよう努力しています」
--最近ではニュープリントで見られたりする特典があったりしますし。

矢田さん「昔劇場公開された時と同じイイ映像をスクリーンで見られるというのは映画ファンにとってうれしいことだと思いますよ」

--プログラムは矢田さんが企画されるんでしょうか? 他の名画座さんと作品がかぶったりはしませんか?

矢田さん「作品の取り合いになったりする場合も(苦笑)。同じような企画をするってことありますから。お客さんの迷惑にならないように気をつけないといけませんがね」

■スコセッシ監督も推す!
例えば、新文芸坐さんでは5月23日(水)から「7回忌追悼今村昌平」として6月1日(金)まで、巨匠・今村昌平監督作品を19作品上映する予定。

今村昌平の作品といえば、『うなぎ』、『黒い雨』や『楢山節考』が一般的には有名ですが、あの映画狂のマーティン・スコセッシ監督(最新作は『ヒューゴの不思議な発明』)が推す『豚と軍艦』もニュープリントで上映される。

これは戦後すぐの横須賀を舞台とした1961年の作品。
米軍キャンプから出る残飯を利用して養豚場を営み、ひともうけしようとするヤクザの話(笑)なのだが、クライマックスではこの豚が大量に街に暴れ出る。スコセッシが笑いながら「あれはわれわれアメリカ人のたとえだ」と説明した名シーン。「今村は俺達アメリカ人を豚にたとえたんだよ」と。

--今村監督の特集を企画されたのはどういった経緯でしょうか?

矢田さん「やはり知ってほしいんです。今村監督はまさに最後の巨匠と言っていいんじゃないでしょうか。カンヌ映画祭のパルム・ドール賞を2回も取っている監督は日本人でも今村監督1人です(筆者注:海外でも5人しかいない)。その作品が忘れ去られようとしている。あまりにももったいですよ。
映画ファンだけじゃなく若い人にも見てほしいんです」

--今村監督の作品は腹にズンとくる作品が多いですよね。

矢田さん「人間存在そのものを問うような、スケールの大きな作品だと思うんです。スケールが大きいといっても大作というわけじゃないですが、社会的な意味を問う作品であり、深い意味のある作品です。こういう、今平さんの作品のような映画があったんだということを若い人にも知ってほしいですよね。今のテレビ局が主体となって作った映画とは違う映画、お茶の間感覚とは異なった映画、これを知ってほしいという熱い思いがあります」
いかがでしょうか?このような熱い思いでプログラムが組まれている名画座。あなたも行ってみませんか?

(谷門太@dcp)

『新文芸坐』http://www.shin-bungeiza.com/『ラピュタ阿佐ヶ谷』http://www.laputa-jp.com/『シネマヴェーラ渋谷』http://www.cinemavera.com/『神保町シアター』http://www.shogakukan.co.jp/jinbocho-theater/『銀座シネパトス』http://www.humax-cinema.co.jp/cinema/special/meigaza/ginza_meigaza.html

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