【エンタメCOBS】中国に中古ブランド品を売る話
いろいろと差しさわりがありますので匿名でお話を伺いました。
――どんな商売をされているのですか?
中古ブランド品を中国人に販売しています。
――全部1人でやっているのですか?
いえいえ。中国の人と組んでやっています。その中国人が中国で注文を取るんですよ。例えば「シャネルの○○という型番がほしい」とかね。
それがまとまって来るんで、私が日本でその商品を探して購入するわけ。それを中国に送るんですよ。だから私がやってるのは仕入れパートね。
――中国ではブランド品のニーズは高いんですか?
そりゃそうだよ(笑)。見えっ張りな人が多いからね。お金持った人はブランド品を大量に買うよね。
――でも中古を販売しているんですよね?
そこが面白いとこなの。ちょっとでも安く買いたいわけだよ(笑)。
ブランド品って世界中どこへ行っても正価でしか売ってないんでね。だから少しでも安い中古品にニーズがあるんです。日本の中古品ってさ、ほとんど新品同様ってのが多くてね。箱もちゃんとキレイにとってあったりね。だから日本で流通してる中古ブランド品のクオリティーは世界一なのよ。それをちょっとでも安く買いたい中国人向けに販売しているんです。
――素朴な疑問なんですが、中国というとコピー商品天国みたいなイメージがあるんですが、そういうコピー商品を買えばいいんじゃないんでしょうか?
お金持ちは見えっ張りだからそういうコピーは買わないんだよ(笑)。もしコピーだとばれたらカッコ悪いでしょ。
そういう、なんていうかなメンツを大事にするようなところは妙にしっかりしてるんだよね。本物を安く買いたいのよ。
――日本からコピーが送られてくるとは思わないんでしょうか?
思ってないね。信頼されてるんだわ。傑作でしょ?日本から来る製品なんでちゃんとしてると思ってる。当たり前だけど日本でブランド品のコピーを売ってたら捕まるもの(笑)。
――どんな製品を扱っているのですか?
ブランド品のバッグが多いですね。
――ブランドの種類は?
ああ何でもですよ。
ルイ=ヴィトン、プラダ、シャネル……。レアアイテムの種類が多いブランドが多いですかね。
――レアなアイテムの方がもうかるんですか?
それはそうですね。入手できない物は高値でも売れますから。これほどレアなブランド品がたくさんある国は日本しかありませんよ(笑)。
――なぜなんでしょうか?
バブルの時に世界中からブランド品を買いましたから。当時、日本にはブランド品のレアアイテムが積み上がったわけです。たぶん世界一だったでしょうね。
その商品が中古市場に出てくるわけです。
――そういえば、以前銀塩カメラマニアに取材した際に、日本には世界で一番ライカ製品があるという話でした。やっぱりバブルの時に世界中からライカを買い集めたそうで……。
ああ、なるほど。同じような話だと思いますよ。
――どのくらいもうかるものなんですか?
あまり言いたくないんだけどね(笑)。それは商品によりますね。例えば正価80万円のバッグがあったとするよね。
それを中古ショップとか個人から6掛けで購入できたとしましょう。それを中国の欲しがってる人が9掛けで買ってくれたら3割抜けるよね。24万円の粗利だね。
――9掛けで買ってくれたりするんですか?
そこでしか入手できない物であればね。あと、その金額が一番安ければね。買う人だって調べるわけだから。
――1個24万円の粗利だと10個やれば240万円ですか!
そう簡単にはいかないんだって。目利きがいるんだよ。
どの商品が欲しがられているのか、どれが高く売れるのかっていう。
――中国人相手の商売は大変ですか?
大変ですね(笑)。できればやりたくないですねえ。スキあればクレームをつけてきますしね。あと油断できないですよ。
――と言いますと?
こういうことがありました。注文通りに商品を送ったんですが、「偽物だから半金返せ」という連絡があったんですよ。もちろんちゃんとした製品を送っているんですよ。で、送り返してきたら偽物にすり替わってるんです。びっくりしましたね。あきれましたよ。日本では考えられないでしょ(笑)?こういうこと平気で起こるんですよ。油断もスキもあったもんじゃないです。できれば、そんな人たちを相手に商売したくはないねえ。
伺ってみると苦労も絶えないようで、お金を稼ぐのはやはり簡単ではありません。(高橋モータース@dcp)