2回連続!『キツツキと雨』公開記念インタビュー 役所広司編
人里はなれた山村に暮らす木こりの男と、そこへ映画の撮影にやってきた映画監督のふれあいを描く、やさしくおかしくてホロリとさせるハートフルなヒューマン・ドラマ『キツツキと雨』。『南極料理人』から2年、沖田修一監督待望の新作にて、妻に先立たれて息子とふたりで生活する60歳の木こりを演じる役所広司のインタビューをお届けする。
●脚本を読んだ最初の感想はどのようなものでしたか?映画作りのなかで、みんなが力を合わせていく過程がユーモアを交え描かれていて、ものすごく感動的な脚本だと思いました。映画作りのロマンがふんだんに盛り込まれているところもいいですよね。
●克彦という役柄を演じるために、気を配っていたことは何ですか?ひとつには、子どもを持つ親としての思いです。克彦は自分の子どもには下手な愛情表現しかできないんですが、その分、違う青年に子どもへの思いを伝えていく。そういった親子のぶきっちょさがまず大事なんだろうなと。映画作りという夢の虜になっていく、どこかお祭りに参加しているような気分も出せればいいなと思いました。
克彦にとって、それは今まで出会ったことのない、自分を燃やすような体験なんですね。
●今回きこりの役でしたが、演じることで面白かった部分はありますか?映画の中で映画を作る小さな撮影隊なのですが、映画の中で映画を撮っているのか、本当に自分たちが、役者として芝居をしているのか…混ざり合う感覚というか、いい意味で曖昧に撮影した記憶があるので、思い出に残るような貴重な撮影体験になりました。