『連続ドラマW 罪と罰 A Falsified Romance』高良健吾インタビュー

「人はなぜ人を殺してはならないのか」「人間が他の動物と異なる存在である根拠は」人類普遍のテーマに挑む衝撃の問題作が、今、幕を開ける。世界文学史上に残る名作、ドストエフスキーの「罪と罰」。重厚な哲学的テーマをもち、スリリングなサスペンスでもある大作の、実写映像化『連続ドラマW 罪と罰 A Falsified Romance』にて、独自の思想にとらわれ罪を犯す主人公・裁弥勒を演じる、高良健吾のインタビューをお届けする。

『連続ドラマW 罪と罰 A Falsified Romance』高良健吾インタビュー
●「この衝撃的な内容、弥勒というキャラクターをどう映像化すれば!?」という内容の作品でしたが、今回はどのように役作りを?視聴者の方にどのように映るか、というのは考えていないです。唯一考えるとすれば、“弥勒って救いがありますよね”っていうのは嫌ですね。それだけは自分から提示しちゃダメだな、っていうのはあります。観ている人が、「こいつ(=弥勒)はもう許せない!」と思ってくれていいし、「気持ちはわかるけど…そういうことしちゃだめだよ」と思ってくれてもいいし「わかるわかる!」って思ってくれる人もいていいし、ただ僕が“弥勒ってこういう人間だよね”とか、そういう演じ方はしていないと思います。

自分がとった行動に対して罪悪感を感じながら生きていく中で、英知香と出会い、色々変わっていき、最後は自分の罪を認めて償っていこうっていう、弥勒。
僕はそれを演るだけなんです。僕自身が罪を償っていく弥勒の姿に感動して芝居をしたり、それで変に感動されても困る。もちろん、台本に書いてある、それ以上のことをできるようにしたいと思ってはいますが。

●一貫した姿勢をお持ちなんですね。昔から、そう、僕が嫌なんですよね。押しつけがましいのって嫌だなぁと思うんです。やっぱり、映像にしても文にしても、考える力っていうのは誰にでもあるじゃないですか。そこをあまり馬鹿にはしたくないなぁと思うし、信じている。
たとえば笑うシーンで「ここおもしろいでしょ」とか、「ここ感動するシーンでしょ」って、全部答えを見せられても困るじゃないですか。観ているほうとしては、考えられるし考えたいし、そうしないとただのダイジェストばっかりになって観ててつまらないと思います。僕がわかりやすくしちゃだめなんだなぁと思う。

批判でもなんでもなく、「みんなに勇気を与えたり元気を与えられる役者になりたいです」って、すごくいいことだと思うんですけど、そこは目指してないですね、僕は。自分が精いっぱいやって、そういう風に勇気や元気を与えられたと思ってくれる人がいたらすごくうれしいし、幸せだけれど、そこを狙ってやっちゃダメな気がします。

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