Excite:これまでカバーしたのも、尾崎豊さんの「Forget-me-not」とか、中島みゆきさんの「化粧」ですしね。前者は80年代、後者は70年代の曲ですけど。
翔太:ええ。でも、アーティストの気持ちからすると、それって結構悲しいんですよ。もっともっと、どんどんどんどん、そうやって後世に残る曲が今の時代にも出てこないといけないのにって思うんです。
そんな中で僕が「これは残るな」って感じた一番最近の曲がこの曲で。この曲を選んだ理由にはそういう曲を作っていかなきゃいけないよねっていう気持ちもあったんです。
Excite:今回はピアノ一台の伴奏で歌っていますが、そういうサウンドにした意図は?
翔太:シングルだったらバンドできれいにやった方がいいかなとか、いろいろ考えたんですけど、原曲があまりにもいじりようがないほど完成されているので、もう引き算しかできないなと思って。
だったらピアノ一台が一番インパクトあるかな、その方がどういう風にも歌えるし、って考えたんです。で、仲宗根さんが一緒にやってくださるということになったので、ピアノとコーラスをお願いしたんです。
Excite:ソウルミュージックというか歌の基本だと思うけど、言葉と言葉の「間」をすごく意識して歌っているように感じました。
翔太:そこがピアノ一台の面白さだと思うから。ピアノ一台だと多少リズムとずれたりとか、間があいていても問題ないというか、そこが魅力になる。だからこそ、歌詞の行間の気持ちまで想像しながら歌いましたね。
Excite:最後の「あなたの事ばかり」の「り」のところの高低差のあるフェイクやファルセットが見事でした。
翔太:ありがとうございます。
初めてこの曲を聴いた時から、そこのフェイクが好きだったんですよ。キャッチーなこの曲をここまできれいに歌ってきて、最後いきなりすげえソウルじゃん、みたいな。
自分だったらたぶん最後まできれいに仕上げちゃうなぁ、面白いなぁって衝撃を受けた曲だったんです。それを歌えて楽しかったですね。