『みんなで一緒に暮らしたら』ステファン・ロブラン監督インタビュー
■完成までに5年を要したとの事ですが、完成までに最も苦労した点、楽しかった点を教えてください。製作資金集めは困難で、何年も苦労し危険な状態もありました。でもいざ撮影が始まると、とてもスムーズに進み、撮影は楽しく、役者たちのチームワークも良く、またみんなこの冒険を喜んで共有しようとしてくれました。
最も楽しくて印象に残っているのは、プールでの食事のシーンでクロードとジャンが喧嘩をする場面の撮影です。俳優たちがこのシーンに熱中してしまい、とてつもなく大笑いして、笑いが止まらなくなり、状況はとてもシュールになってしまったのです。プールの周りにいた観客の側のスタッフと、プールの中の“円形劇場”(闘牛場)にいた俳優たちと、という構図です。
■主演ジェーン・フォンダさんとのお仕事はいかがでしたか?私にとって彼女は伝説の女優です。多くの有名な作品に出演し、アカデミー賞もとり、しかもフランス映画には約40年振りにカムバックと言う大きな意味がありました。
彼女が承諾してくれるかどうかはわれわれの賭けでした。
彼女は脚本を気に入ってくれました。また、ジェラルディン・チャップリンや他のフランスの名優たちと共演するアイデアを気に入ってくれて、この映画のキャスティングの最後の段階で決まりました。
最も印象に残っているのは、ジェーン・フォンダが最初にパリにやってきたとき、いくつものトランクにこの役のために提案したい衣装をぎっしりと山のように持ってきたことです。私たちはカメラテストやリハーサルを何度もしました。
彼女は少し気難しいところもありますが、とてもまじめで勤勉でした。そして、彼女はアメリカからやって来て、一瞬のうちに私のストーリーの中に入り込んでしまうという、まさに驚くべき、素晴らしい女優でした。