大ヒット公開中「アイアンマン3」シェーン・ブラック監督インタビュー、観客の心を掴むキャラの要素とは?!
ロバートは自分で手がけるものすべてを高めます。とても私的にとらえるタイプで、前回見せた演技とはまったく違う演技を提供することに情熱を燃やしています。
彼は偉大な俳優の一人だと思う。『チャーリー』で傑出した演技を見せたかと思えば、『アイアンマン』のような大作にもシニカルになることなく臨むことができるのは、本当に素晴らしいことです。とにかくロバートはアイアンマンそのものですよ。それだけ献身していたのです。
■監督にとって、トニー・スターク/アイアンマンの魅力は? はじめてアイアンマンと出会ったのは、確か60年代前半のころです。昔のスーパーヒーローに夢中でした。
特にハルクとアイアンマンが大好きで、どちらかといえばアイアンマンでしたね。彼の方がハイテクでクールだったから。
ロボットも大好きでした。アイアンマンに似たタイプの、ちょっとサイボーグっぽいロボットが好きでしたね。「600万ドルの男」系統も大好きでした。つまりマイケル・クライトンが描くようなハイテク傾向が、スーパーヒーローにも向けられていたのです。
トニー・スタークは、実に多くの問題や弱点を抱えていますが、そういう部分を私が理解できるようになったのは、ずっと後になってからのことです。そういった性質は、ダウニーにピッタリなところでもあり、また、私の心に一番響いている部分でもあります。
あらゆるものを手に入れ、自宅で座り、シャンパンの栓を抜きながら、自分のものだと言っても過言ではない世間を大きなガラス窓から見下ろしながら、頭の中で一体何が去来しているのか? 世界中のあらゆる武器能力は自分の思いのまま、そして、女の子たちをはべらせて酔っぱらう。
それは人々が共感することのできるタイプのファンタジーだと思うのです。なぜならこの男は悪徳資本家にもなれる力を持っていながらも、理性や分別を失っていないからです。彼は「いや、俺にはまだ正しい行ないをする責任がある」と言える人物なのです。