ローカルな旅を南アフリカで(4) コサ族のユニークなカルチャーに触れるイースタンケープの旅
自然豊かな東ケープ州(イースタンケープ)はカルチュラルな魅力もいっぱい。南アフリカ全体のコサ族の人々の半分以上がイースタンケープに暮らしていて、まさにここはコサ族の故郷とも呼べる場所なのだ。コサ族のユニークな生活文化を体験!
■ママ・トフに教わるコサ族の文化コサ族について知りたいのなら、ママ・トフ(Mama Tofu)という女性の話を聞くのが一番と言われ、イーストロンドンから少し離れた彼女の村を訪れた。
到着すると村の人たちが歌とダンスで温かく迎えてくれて、南アフリカの国歌を皆で大合唱! コサ語で歌う国歌を聞いていると、胸に手を当てながら歌う人たちの姿はたくましく、ネルソン・マンデラ元大統領もコサ族の人だと思い出し、アパルトヘイトを乗り越えてきたという誇りや連帯感のようなものを感じて胸が熱くなってくる。
ママ・トフは今年で93歳なのだそう。彼女は90年以上に渡って見てきた南アフリカの文化的、政治的、社会的な変遷やコサ族の歴史と文化について人々に語り継いでいる。時代が移っても変わらないコサ族のスピリッツについて話す口調には熱がこもっていて、ぐいぐいと彼女の話に惹きこまれる。
特に盛り上がったのは、彼女が若い女の子向けに言っているという恋愛アドバイス。「男の子から愛していると言われたら、微笑んではだめ。真面目な顔をして彼の目を見て、ちゃんと仕事はしているか聞くのよ」。
そして最後にママ・トフが言っていたのは、「料理の出来ない女性は結婚できないわ。トウモロコシを挽けない女性は全くだめね」ということ。ここでは調理用に乾燥したトウモロコシを挽いて粉にしなければいけない。村の女性たちが歌いながら軽々とやっているのを見た後に実際にやってみたのだけれど、これが本当に難しい。重いので全身の筋肉を使うし、リズム感も求められる。この作業をやっている女性たちは、なんともたくましい!