語感の使い方で、仕事のデキる、デキないに差が出る!?【黒川伊保子】

私たちが普段、何気なく使っている言葉。あいさつや謝り方など、発音の語感によって相手の感情は大きく左右されています。人を心地よくさせるのも、イラつかせるのも言葉の使い方次第ということ。そこで、仕事をする上で上手な語感の使い方を、脳機能論を用いた語感分析法の第一人者の黒田伊保子先生に伺いました。

語感の使い方で、仕事のデキる、デキないに差が出る!?【黒川伊保子】
日本語において語感を使う場合、まずは音読み、訓読みのふたつに分けます。母音がしっかりと使われる大和言葉由来の訓読みを発する時、情の回路が刺激され、息を擦る子音を多く使う漢語由来の音読みは、理系回路に刺激されます。

たとえば、仕事を終えて一緒になった人にお別れの挨拶をする場合、「今日はご一緒できて嬉しかった」という大和言葉を使うと優しいイメージがするけれど、「感謝しています。失礼します」と言うと、敬意は表するけれど、すごく距離ができる感じがします。


大和言葉はとても柔らかく優しいイメージを与えるのですが、見た目も声も優しい女性が多く使いすぎるとベタベタな印象になるので注意も必要。男性中心のプロジェクトを率いる女性上司なら、「がんばろうね」より「期待してるよ」と言った方が、断然凛々しくてカッコいい。

激励するときや甘えてほしくない時は漢語で、ねぎらうときは大和言葉という使い分けがベストです。ちなみに、「おつかれさま」「おはよう」などの挨拶は、基本的に大和言葉です。

■「失礼しました」は失礼にあたる
それから、仕事場で謝る場合、「失礼しました」は使わないほうがいい(社長室に入るときの「失礼します」は大丈夫)。謝るときの「失礼」というのは、相手との距離を一気につける言葉で、とても失礼。上あごをこするときに空冷気のような冷たさのある「し」、上あごを息がかなりの流量で流れる「つ」、発音するときに舌の裏を冷たくする「れ」、と、冷たい子音が続いているのです。

謝り言葉でいうと「すみません」か「申し訳有りません」を使いましょう。
ただし、スピードが必要なときに「申し訳ございません」だと、もたもたしてる感じでイライラさせます。


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