「サザエさん症候群」 空虚な気分をアップする音楽3選
あの晴れやかで平和な、昭和の香り漂う日本の典型的な家庭の団欒が、ささやかで慎ましい幸せが……展開されるテレビ番組「サザエさん」を観ながらだんだんと、エンディングのテーマソングが流れるころに至っては確実に、襲ってくるどこか心もとない虚しく寂しいような気持ち。体験したことありませんか?もしかしたら「サザエさん症候群」かもしれません。
明日からはまた1週間が始まる。大したこともしないで日曜日が終わってしまった…そんな虚脱感に満ちた心を、何とか明るく前向きにシフトしたいもの。そんな時に優しく寄り添ってくれるBGMをご紹介しましょう。
ハイドンの「チェロ・コンチェルト」で心に弾みをつけてハイドンらしい明快で優美なメロディが軽やかに始まると、沈みかけた気持ちがフッととどまってくれるはず。アフター「サザエさん」という時間帯は、一見穏やかなようでいて、心は非常にデリケートに傾いていますから、BGMは明る過ぎても元気過ぎてもダメ! ヘタするとますます落ち込んでしまうので、微妙な配慮が必要です。
ハイドンにしてはパロック色が濃く、やや牧歌的な響きは、現実を直視するのが辛い時、うまく距離をとって安全地帯を与えてくれる感じです。この音楽が流れている空間で、どうにか気持ちを立ち直しましょう。ヨーヨー・マのリズミカルで清廉な演奏が絶妙で、このまま穏やかに自分を肯定しながら、明日を迎えられそうな気がしてくるから不思議です。
チェロ・コンチェルトの1番は、実は楽譜が発見されたのが1961年と、比較的最近。それまでは、2番が1番だと思われていました。この1番が発見されて本当によかった!
聴く人の心をなごませるような親しげな表情に満ちた旋律は、きっと明日もがんばろうという意欲を起こしてくれるのではないでしょうか。