可愛すぎる白猫【玉乃丞さま】に萌える!動物癒し時代劇『猫侍』【映画ライター渡まち子の「猫目線」映画レビュー4】
映画の中に登場する猫に注目して、作品の見どころや猫ポイントと共にご紹介するこのコラム。今回ご紹介するのは、日本映画『
猫侍』(2013年)。貧乏侍の剣豪が愛らしい白猫と出会い、やがて江戸を挙げての猫派と犬派の大抗争に巻き込まれるという人情時代劇です。
◆あらすじ江戸時代。かつては百人斬りと恐れられた剣豪・斑目久太郎(北村一輝)は、今ではしがない浪人暮らし。ある日、久しぶりに仕事が舞い込みます。それは、犬を愛する親分から、敵対一家の親分が飼っている愛猫を暗殺してほしいという極秘依頼。久太郎は大金につられて引き受けますが、踏み込んだ屋敷で彼を待っていたのは、愛らしい白猫・玉之丞(たまのじょう)でした。
うっかり癒された久太郎は、そのまま玉之丞を長屋に連れ帰るのですが、やがてそれは犬派と猫派の大抗争へと発展していきます。
◆剣豪と猫と癒し 異色のコラボもともとは、連続ドラマとしてテレビで放送され、ひそかに人気だった癒し系コメディー時代劇ですが、ジワジワと口コミで評判が広がり、まさかの長編劇場版が製作されました。「ねこタクシー」や「幼獣マメシバ」などの小動物ドラマシリーズを手がけてきたスタッフが、剣豪VS猫VS癒しという異色のコラボレーションを実現。大作ドラマからインディーズ映画まで、幅広く活躍する北村一輝さんが、いつも眉間にしわを寄せている強面(コワモテ)の、でも心優しい剣豪を演じています。
主人公とツンデレ猫のコミカルな関係は、この映画の魅力のひとつ。久太郎は、かつては“まだら鬼”と恐れられた剣豪ですが、実は彼、“人は斬れども猫は斬れず”。さぁ、困りました。劇場版では、そんなコメディータッチのストーリーに加え、猫派と犬派の争いから、久太郎の敵となる凄腕の用心棒との宿命の対決など、スリリングな見せ場も。
さらに、仇討を狙う若侍や、猫番のお女中のけなげなエピソードなど、なかなか多彩です。