横柄なお客様にもイライラしない、心を折らせないで乗り越える方法 【心屋仁之助 塾】
ミトンさんは、「接客業だから、どんな状況でも笑顔で接しなければ」と思っているようですが、そんなことはありませんよ。今までいろんな有名美容院にお世話になりましたが、人気があり、腕もいい美容師さんで、ニコリともされない方がいらっしゃいました。むしろ、感じが悪いかもしれない。
けれど、腕が確かで非常に信頼できるので通っていました。考えてみれば、私などは、やたらニコニコ笑顔で話しかけてくるアシスタントさんよりも、笑顔がなくても、静かに黙々と作業してくれるアシスタントさんが好きかもしれません。話しかけずにほっておいてくれる方が好きかもしれません。お客様の好みは実はさまざまです。
ミトンさんも、時には笑顔を作ろうとせず「真顔(まがお)」で接客してみてください。
それでも特に何も問題がないことがわかるかと思います。「笑顔で接客するべき」は、もしかしたらミトンさんとその美容院の「べき」なのかもしれません。普段は笑顔でも、自分が耐えられない時は笑顔を作れなくても大丈夫ですよ。そして、横柄で理不尽な態度を見ると誰を思い出しますか?
たぶん昔、そんな人が身近にいたかもしれないですね。お父さんでしょうか。お母さんでしょうか。その人の態度を見て、ミトンさんは「横柄にしてはいけない。理不尽なことをしてはいけない」と思ってしまったかもしれません。
そんなことを自分はするべきではないし、あってはいけないと考えたかもしれません。けれど「横柄」も「理不尽」もこの世の中に普通にあります。ミトンさんがそれらを排除しようとすればする程、そんな人が目の前に現れます。ですので、ミトンさんも横柄で理不尽な人になってみましょう。それは職場でなくてもいいし、お客様の前でなくてもいいのです。そこは使い分けてもいいですよ。
たとえば、お客様が全員帰られた後に、タオルを洗面台にぶつけて叫んでもいいですし、罵詈雑言を吐いてもいいのです。バーカ、バーカ、と悪態ついてもいいのです。
むしろついてください。お客様に腹が立った思いに蓋をしないでください。理不尽さを感じたら誰でも腹が立つと思いますし、悲しくなります。それは自分のことを大切に扱ってもらえなかった悲しみかもしれませんね。