猫はさびしい思いをしている人のそばにいる。『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』【映画ライター渡まち子の「猫目線」映画レビュー13】
映画の中に登場する猫に注目して、作品の見どころや猫ポイントと共にご紹介するこのコラム。今回ご紹介するのは、日本映画『
すーちゃん まいちゃん さわ子さん』(2012年)。
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職業や境遇が違う3人の女性が、日々の暮らしの中で小さな幸せをみつけながら前向きに生きていくハート・ウォーミングな物語です。
◆あらすじカフェで働く料理好きのすーちゃん、OA機器メーカー勤務のキャリアウーマンのまいちゃん、自宅でWEBデザイナーの仕事をするさわ子さんの3人は、かつてのバイト仲間。十数年後の今も友情は続いていて、時間をみつけては集まっています。仕事、恋愛、結婚、貯金、介護…。それぞれに悩みを抱える彼女たちは、今まで歩んできた道を振り返り「本当にこれで良かったの?!」と自問するのですが…。
◆自分らしい生き方を自分の手でみつける姿に共感ベースになっているのは益田ミリさんの4コマ漫画。等身大のアラサー女性たちが、日常のささやかな出来事で傷ついたり、喜んだりする姿は、きっと誰もが「あるある!」と共感するはずです。
すーちゃん、まいちゃん、さわ子さんの悩みは、片思いや不倫、結婚に親の介護など、なかなかシリアスで切ないんですが、映画は、それらをやんわりとコミカルに描いていて、彼女たちのそれぞれの決断を優しいまなざしでみつめています。