連載記事:普通のママでもできる投資
わが家は月々いくら投資に回せる? 生活防衛資金と余裕資金とは(普通のママでもできる投資 Vol.3)
病気やけがが保障される会社員と、されない自営業者
傷病手当金というのは、業務外の病気やけがで会社を休んだ場合、被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度で、事業主から十分な報酬が受けられない場合に支給されます。
会社を休んだ日が連続して3日間あった上で、4日目以降、休んだ日に対して、1日につき、支給開始日(一番最初に給付が支給された日)以前の継続した12ヵ月間の隔月の標準報酬月額を平均した額(※)の3分の2に相当する額が、最長1年6ヵ月日間支給されます。
しかし、自営業者は傷病手当金が受けられないので、仕事を休めば無給状態になってしまいます。より多くの生活防衛資金が必要です。
たとえば、生活費が30万円で、当面使い道の決まっていない預貯金が250万円ある会社員世帯の場合、
- 生活防衛資金:30万円×6ヵ月=180万円
- 余裕資金:250万円×180万円=70万円
と考えます。
月々で考えることもできます。
可処分所得(税金や社会保険料を払ったあとの自由に使えるお金)が、月36万円の世帯の場合、生活費30万円を差し引いた6万円のうち、教育資金への貯蓄を5万円とした場合、残りの1万円が余裕資金となります。
(生活防衛資金は貯蓄済みと仮定)
「余裕資金」の使い方が未来の安心を生む
さて、みなさんは、余裕資金を何に使いますか?
前から欲しかった洋服やバッグを買いたい。旅行に行きたいなどなど、使い道はいろいろですね。でも、この余裕資金は、資産形成のために投資に回せるお金でもあるのです。
今、働いて毎月入ってくるお金は、現在の生活費であり、これからかかる子どもの教育費のために貯蓄しておくお金であり、そして、老後のために貯めて行くお金でもあるのです。
今、欲望を少し我慢することで、将来の安心と豊かさをつくることができます。
まずは、自分の支出の状況を把握し、なるべくたくさん余裕資金を生み出すことが大切です。
次回は、支出をどう意識していけば、家計を合理的にできるのか、とても簡単な方法をお話しします。
(※)平成28年(2016年)4月1日より、傷病手当金の支給額の計算方法が変わったため、修正しました。
(2016年4月12日)
これまでは、病気やケガで仕事を休んだ直近の月の標準報酬日額をもとに計算されていましたが、支給開始日(一番最初に給付が支給された日)以前の継続した12ヵ月間の隔月の標準報酬月額を平均した額で支給されます。
1日あたりの金額=支給開始日(一番最初に給付が支給された日)以前の継続した12ヵ月間の隔月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3
支給開始日以前の期間が12ヵ月に満たない場合は、以下の2つのうち、少ないほうの額で計算されます。
・支給開始日の月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
・28万円(当該年度の前年度9月30日における全被保険者の同月の標準報酬月額を平均した額)
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