ミステリアスな魅力に満ちた、奇跡のアート・ドキュメンタリー映画 「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」
ヴィヴィアン・マイヤーという写真家のことは、もちろんご存じありませんよね? 生涯で15万枚以上の作品を残しながら、一度も発表することなく、乳母や家政婦として働き、2007年、オークションで偶然ネガが発見されるまでは、その存在をまったく知られることなく、2009年に83歳でこの世を去った、変わり者の女性のことは。
© Vivian Maier_Maloof Collection © 2013 RAVINE PICTURES, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
彼女のネガを競り落とした青年が、写真の一部を
ブログにアップすると爆発的な人気が出て驚き、プリントを売って製作費を稼ぎながら、謎だった彼女を探す旅に出て、彼女を知る人々のインタビューも含め、
ドキュメンタリーで描いたのがこの映画。まさに、事実は小説よりも奇なり! 今まで、こんな不思議な魅力の映画は観たことがありません。
乳母だった彼女が死後、写真家として脚光を浴びるまでの旅路その青年がシカゴ在住の監督、
ジョン・マルーフです。歴史の資料としてシカゴの風景写真を探している時、地元のガラクタや中古家具を扱うオークションハウスで、古い
革張りの箱に入った
ネガを落札。
© Vivian Maier_Maloof Collection © 2013 RAVINE PICTURES, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
撮影者は
ヴィヴィアン・マイヤーとあるけれど、知らない名前で、検索してみても1件もヒットなし。初めてヒットしたのは、それから2年後、彼女がつい数日前に亡くなった、という死亡記事でした。
そこから、彼は生前のヴィヴィアンを知る人物を探し当てるのですが、その人はなんと「彼女は僕の
ナニー(乳母)だった」と…。