連載記事:普通のママでもできる投資
リスクもリターンもほどほど? 債券ってなに?(普通のママでもできる投資 Vol.9)
債券で気をつけるべきは、金利の変動
債券にも、株式と同じように価格の変動するリスクや、信用リスクがありますが、もうひとつ、債券価格は世の中の金利の動きに最も影響をうけるというリスクもあります。
たとえば、あなたが1%の金利のつく債券を持っているとしましょう。世の中の金利が上がり、2%の金利のつく債券が売り出されたらどうでしょう?
あなたの持っている債券は魅力がなくなってしまうので、市場で売ろうと思っても、値段を下げなければ買ってくれません。逆に、世の中の金利が1%よりも下がると、あなたの持っている債券は魅力的に見えます。欲しい人が増えるので、価格は上がります。
満期前に売却する場合、世の中の金利が上がれば、債券の価格は下がり、金利が下がれば、価格は上がります。金利と価格はシーソーのような関係なのです。償還までの期間が長いほど、金利が変動する可能性が高いので、債券の値動きも大きくなります。
株式と債券の関係は?
さて、数年後、あなたの会社は、ベビー服がよく売れて、昨年よりも大きな収益を上げました。売上から、従業員の給料などの事業にかかるコスト、約束した金利や税金を支払っても十分なもうけがでました。利益の中から株主に、去年よりも配当金を支払い、株主の方にとても喜んでもらえました。
しかし、もし仮に、強力なライバル会社の出現で、今年の売上が大幅に落ちてしまったとしたら?
それでも、あなたは、銀行や社債を買ってくれた投資家に決まった金利を支払わなければなりません。株主の方には、「ごめんなさい、今年は配当を出せません」と、お詫びします。
投資家からすれば債券は、会社が儲かろうが赤字になろうが、定められた金利を受け取り、デフォルトしない限り、満期日が来れば、元金は返済されます。
一方、株式は、会社の業績によって、配当金がたくさんもらえたりもらえなかったり、株価が上がったり下がったりと、リターンの変動が大きいのです。
債券のリスク < 株式のリスク
ということです。
株式と債券の値動きの関係は次のようになります。
次回は、個人向け国債についてお話しします。
(岩城みずほ)
プロが解説。株価が下落しても、資産運用を続けて大丈夫?