70代まで好きな仕事を続けるには? 映画『FOUJITA』仏人女性プロデューサーの人生論
■偶然のチャンスを逃さないことが大切
――そもそもキャリアのスタートして、CM業界に入ったのはなぜですか?
正直にいうと、自分から望んだのではなく、当時の恋人が広告業界で働いていたからなの。笑えるでしょう?
でも準備して何かをするよりも、たまたま訪れたチャンスをつかむのは、人生のなかで大事なことですよね。
当時のCM業界では、映画界のスターはCMに出ないという考えがありました。でも私は、「絶対に映画界のスターをCMに出させてやる!」という強い気持ちがありました。だから自分で俳優を説得して、出演してもらいました。
本来であればCMの出演依頼なんてするべきではありません。でも思い切ってやってみたら成功しました。いい方向に進むかどうかはわかりませんが、固定観念から解放されるのは大切だと思います。
■女性らしさを強みに、自分の人生は自分でつくる
――現在、日本ではフランス人女性のライフスタイルや考え方に注目が集まり、多くの書籍が出たり、メディアで特集が組まれたりしています。クローディーさんにとって、フランス人女性のどこが魅力だと思いますか?
日本女性がどういう風に考えているか分からないですが、自立した考え方で、自分の人生を自分で作るところかしら?
――70代になっても美しさを保つ秘訣は?
私はビジネスウーマンなので、見た目はすごく大事だと思っていて、女優さん並みに容姿には気をつかっています。女性として、美しくありたいという気持ちは強いですね。
それに元気でいる姿は、自分だけでなくほかの人にもとってもいい影響を与えます。いまのフランス人の若い女の子たちを見ると、中性的な人が増えてきて、女性らしさがなくなってきていると感じますね。フェミニンであることは大きな強みになるので、もっと活用したほうがいいですよ。
■小栗監督の個性と人間性に惹かれた
――今回の映画『FOUJITA』を手がけようと決めた理由は?
小栗監督の魅力に惹かれたというのが大きかったです。
映画をプロデュースするときに自分のなかで大切にしているのは、監督が誰か、というところ。よく映画で一番大切なのは脚本だといわれるんですが、私はいかにいい脚本であっても、監督がダメであれば、本当に面白くない作品になってしまうと思っています。だから、監督の個性や人間性を重視しているんです。
小栗さんは、映画監督であるいぜんに、芸術家。独特で力強い世界観を持っているので、自然と引き込まれていくというのが、小栗映画です。
これは東京も同じだと思うんですが、パリのような大都会に住んでると、喧噪に囲まれて気持ちがざわざわすることがあるのですが、小栗監督の映画を見るとすごく心が安らいで、静かな気持ちになれます。
――最後に、映画『FOUJITA』の見どころについて教えてください。
主演のオダギリジョーさんがとてもいい雰囲気をつくっていて、仕上がりにはとても満足しています。小栗監督が描く、静ひつな映像美も楽しんでいただけたらうれしいですね。
――ありがとうございました。
日本画家フジタの知られざる世界が現出する映画『FOUJITA』は、2015年11月14日(土)より、角川シネマ有楽町、新宿武蔵野館、渋谷ユーロスペース ほかで、全国ロードショーです。
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映画『FOUJITA』公式サイト
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