「恋人がいなくて寂しい」「貯金が全くなくて不安だ」「結婚したいかどうかも分からない」「長時間仕事しすぎで体とメンタルが心配だ」など、一見「普通」に楽しい生活を送っているように見える人でも、みんな何らかの悩みを抱えています。
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悩んでつらくなったり苦しくなるのは当然のこと。
私たちは1人じゃないのです。つらいと感じたら、すぐにまわりに「助けを求める」ことをしてみてもいいのかもしれません。
今回は30代でプロのサポートを受け始めた、カナコさん(39才独身女性)の体験談をご紹介します。
■心理カウンセリングを受け始めてどのくらいたちますか?
心理カウンセリングを受け始めて、6年ほどたちます。
わたしが10代のころは、カウンセリングなどという言葉も一般的ではなかったし、当時はうつ病なんて言葉も今のように頻繁に目にすることはなかったと思います。
今思えば、わたしは高校生の頃はうつだったと思います。
大学受験のために、続けていた大好きな部活を母にやめさせられた頃から、急に涙が突然流れて来たり、何もする気が起きなくなりました。
心がざわざわして、授業もあまり理解できなくなり、毎日が不安と焦りでいっぱいでした。両親は忙しく、わたしの異変に気づく人もおらず、しばらくして体の不調で倒れて入院。
今思えば、心の不調が体に出たのだと思います。当時、心の不調に治療が必要という認識は、とても薄いものだったと思います。
「努力が足りない」「甘えてはいけない」「自己責任」というような言葉が横行していたような時代で、今なら、プロのサポートが必要と分かるのですが、当時は正直思いつきもしませんでしたね。
自分でどうにかしなくては、と思い込んでいたんです。振り返って、当時の自分を思うと、とてもかわいそうになりますね。
■心理カウンセリングを受ける前は、誰に相談していましたか?
30代半ばまでは、恋愛や家族の問題などで悩んだときは、大体ひとりで抱え込んでいましたね。
パートナーとうまく行っているときは、家族の問題はパートナーに聞いてもらっていました。
でも、パートナーとうまく行かなくなると、家族とのつながりが薄いわたしは、仲の良い友だちに相談していました。
友だちは親切に話を聞いてくれて、アドバイスもしてくれましたし、それはそれで心が落ちつくことも多かったです。
とても感謝をしていますが、今振り返って思えば、問題そのものの出口は見つからないことが多かったように思います。
話す事で多少の発散にはなるけれど、解決はしていかなかったですね。
ときどき「力になりたいけれど、カナコの話を聞いていると、こっちも気持ちが重くなるわ」と言われた事があって、それから相談するときも気を使うようになりました。
全部正直に話せる場所というのは、なかったように思います。
それに、当時の友だちは、私と会っていてもあまり楽しい時間を過ごせなかったと思います。うまく行かない日々が何年も続いていましたから、「いつも悩んでるよねー」と言われたりしていました。