2016年2月24日 07:00|ウーマンエキサイト

フェルメールからなぞなぞまで 2月に行っておきたい美術展5選・首都圏編

2016年2月に行っておきたい首都圏の美術展を5つ厳選しました。誰でも名前を知っている巨匠の作品展から、小さな美術館の個性的な企画まで、いましか見られない美術展を紹介します。

目次

・これは見逃せない! 巨匠の作品展
・春が待ち遠しくなる展覧会
・童心に返って楽しむ 超絶技巧に舌を巻く 個性派の展覧会


絵を鑑賞する女性

© JackF - Fotolia.com



■これは見逃せない! 巨匠の作品展

・『フェルメールとレンブラント 17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展』

美術の教科書などで誰もが目にしたことのあるフェルメールとレンブラント。実際に鑑賞する機会はそう多くはありませんよね。

とくにフェルメールは、生涯に制作した作品数が50ほど。現存するものは約35点しかないのです。《水差しを持つ女》もこの展覧会が日本初公開。今回を逃したら次、日本でいつ見られるかわかりません。


《水差しを持つ女》は若い女性の自室でのひとこまを描いた作品。金張りの水差しや部屋のしつらえから、オランダ黄金時代の市民生活の豊かさが伝わってきます。

しかし、フェルメールの生活は決して豊かではなかったといいます。彼が愛用した「フェルメール・ブルー」とも呼ばれる絵の具は、ラピスラズリが原料のたいへん貴重なものでした。フェルメールはこの絵の具に夢中になり、財産をつぎこんでしまったのです。

フェルメールがこの作品を描いたのは30歳のころ。いまのわたしたちと同世代です。11人の子持ちでありながら、絵の具に財産を使いはたすとは…。
しかし、そのおかげでわたしたちはこの作品に出会えるわけですね。

ところで、フェルメールはデッサンが苦手だったという説があることを、ご存じですか? 彼はカメラ・オブスクラというピンホールカメラのような装置を使い、箱の内側に投影された像をなぞって下絵を描いたそう。小さい作品が多いのはそのためだといわれています。

デッサン苦手説が事実だとしても、それでフェルメールの価値が損なわれるわけではありません。彼の作品に一瞬が永遠につづくような静寂を感じるのは、その作法にこそよるのかもしれませんね。

会期:2016年1月14日(木)~3月31日(木)
開館時間:10:00~20:00
会場:森アーツセンターギャラリー

・『リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展』

ラファエル前派は、19世紀の英国で起こったムーブメントです。同時代の印象派が屋外で一瞬の光景をとらえる「ライブ感」を追求したのに対し、ラファエル前派は神話や伝説、文学作品に題材を求めました。

展示作品をひとことで表現すれば、「ストーリーが感じられる作品」といえるでしょう。


たとえば、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス作の 《デカメロン》。イタリアの作家ジョバンニ・ボッカチオによる同名の小説に着想を得た作品です。ところが、この物語の登場人物は10人なのに、描かれているのは9人だけ。残るひとりは、この絵を見ているあなたというわけです。

物語だけでなく、観衆まで作品に取りこんでしまう手法はさすがです。作品世界に流れるストーリーに想像をめぐらせる、豊かな時間を楽しんでください。

会期:2015年12月22日(火)~2016年3月6日(日)
開館時間:10:00~19:00
会場:Bunkamuraザ・ミュージアム


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