2016年3月5日 07:15|ウーマンエキサイト
子どもを預けるのを反対する祖父母は敵か味方か、フランスと日本の場合
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いざ、働き始めとうと思っても「『家にいて子どもの面倒を見ればいいのに』と祖父母に言われる」といった理由から、子どもを保育園で預かってもらうことを悩むママがまだまだいるようです。でもそれは、日本に限ったことではありません。働いている女性が多くなったフランスでも、つい最近まで同じ悩みを抱えている人がいたのです。
フランスではどうだったのか?
1975年の女性の労働率の年齢別のグラフを見てみるとビックリすることがあります。なんと、40代を過ぎたあたりから仕事をしている女性の割合は、日本のほうがフランスより多いのです。フランスでは当時、家業の手伝いをしている女性ももちろんいました。しかし、外で働く女性は少数派でした。というのも1965年まで女性が働くには夫の承諾書が必要であり、戦後は特に女性が外に働きに行くことを反対する家族が多かったからです。
総務省、Inseeのデータより作成
現代のフランスでは社会進出する女性もどんどん増えて、日本よりも働く女性が多いのは周知の事実でしょう。それでも根強く残る昔の考えから「どうして働きに出るんだ。家にいればいいのに」と言われている女性もまだまだ存在するのです。
家族に反対されていると言っていた女性の1人が「昔は夫の稼ぎだけで大丈夫だったかもしれないけど、今の時代は違うのよ」とつぶやいていたのが印象的でした。しかし、そんな状況でも「いざというときに一番頼りになるのが祖父母」と言っていたことに、大きくうなずいたことがあります。
現代のフランスでは3歳からは17時まで幼稚園が、放課後は18時半まで市が面倒を見てくれるなど、働くママも安心なシステムになっています。しかし、水曜日の午後はお休みですし、6~7週間ごとにやってくる学校のバカンスの多さといったら…。頭を悩ます課題は山積み。
日本よりも子どもを預ける環境が整っているとはいえ、十分ではないと感じることもしばしばです。
子どもが3歳になるまでの期間は、日本より恵まれているかもしれません。しかし、小学校に入っても学校にはお迎えが必須で、仕事の都合で急に遅くなるときにお迎えを心配する期間は日本よりフランスのほうが長いのです。