多肉植物、流木、鉱物… 見るだけで癒される図鑑 3冊
「海と森の標本函」に誘われるイマジネーションの机上旅行“コーミング”という言葉をご存じですか? 本書の著者である
結城伸子さんは、
“宝もの探し”と訳しておられますが、海辺や森などに落ちているものを、きれいだなと思って拾いあつめることだと、この本で初めて知りました。海岸に打ち寄せられた漂着物を拾いあつめることは、“beachcombing ビーチコーミング”。comb は髪を梳くという意味があり、“浜辺を梳くように探す”ことだとか。世界中に愛好家がいるそうです。
「なぜこんなかたちなんだろう、うーむおかしい、なんて不気味、謎めいていてすごく変……そんな単純な驚きと喜びをもたらしてくれるもの、この世はなんて驚きに満ちているのだろうと思わせてくれるものに強く惹かれます」と語る結城さんが、海辺や森で拾いあつめてきた自然のかけらたちが、一冊にまとまりました。
持ち帰ったら、不思議なかたちと遊びながら、標本に。洗浄・乾燥など、少し手を加えるだけできれいに長く保存できるとか。ラベルをつけて飾って眺めることも、コーミングする者にとっては至福のひとときだそう。
彼女はそれを、
“アナザーワールド” への机上旅行と呼んでいます。なんて素敵な旅でしょう。私はそれを、さらに空想の世界で楽しんでいます。部屋は狭くても、脳内の標本棚にはそれこそ膨大なコレクションが!