多肉植物、流木、鉱物… 見るだけで癒される図鑑 3冊


「賢治と鉱物」が教えてくれる鉱物のポエティックな佇まい宮澤賢治は、 “石っこ賢さん” とあだ名されるほど、子供の頃から石に興味を持っていたそうです。彼の文章にはよく鉱物の名前が出てくるなあ、と思ってはいたのですが、まさにぴったりの本を発見! 本書は、賢治作品と鉱物、鉱物写真と鉱物解説の二段構えになっており、それぞれの専門家である加藤禎一さんと青木正博さんが担当されています。

多肉植物、流木、鉱物… 見るだけで癒される図鑑 3冊

鉱物の美しさには惹かれるものの、詳細な知識を得たいわけでなく、宮澤賢治は好きだけれど、彼の作品を研究しているほどではない、という自分のスタンスに優しく寄り添ってくれる本書は、「鉱物に魅せられた宮澤賢治が見ているものを、彼の肩越しに見るような想い」と、帯に書かれたそのままの気持ちを味わえるのです。ワクワクしますよ。

「その一つの平屋根の上に、目もさめるやうな、青宝石と黄玉の大きな二つのすきとほった球が、輪になってしづかにくるくるとまはってゐました(原文ママ)」という、童話「銀河鉄道の夜」のアルビレオ観測所のシーンが、子供の頃から気になっていましたが、この青はサファイアの描写なのですね。宝石を持つことには関心がないのですけれど、鉱物を知ることで、地球の神秘への畏敬の念がさらに深まりました。お勧めしたい一冊です。

いかがでしたか? 眠る前にめくったらファンタスティックな夢が見られそう。
居ながらにして、果てしない未知の世界を体験できるはずです。

「多肉植物図鑑」
「海と森の標本函」
「賢治と鉱物」

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