連載記事:坪田あさみのインテリアコーデBOOK
“経年変化”のある家具で、自分なりの味を楽しむ【坪田あさみのインテリアコーデBOOK #4】
あなたは家具を買う時に何を重視しますか? デザインはもちろん、価格、いまのインテリアに合うかどうか、ブランド、品質など、いろいろあると思います。
わたしは、前回書いた「着回し力があるかどうか」に加えて、「経年変化を楽しめるかどうか」ということも重要な基準のひとつだと思っています。
良い木材で作られた家具は傷や節目さえも味になります。
たとえば、我が家のソファを買う時、張り地を選ぶことができました。コーデュロイやコットン、ウールなど何種類かありましたが、わたしが選んだのは本革のレザー。
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経年変化によってレザーの色に濃淡が出てきます。よく座ることでレザーも少しずつ柔らかくなってきます。
もちろん、ファブリックよりも値段はかなり高く(本革のレザージャケットの値段を考えると、ソファは表面積が広いですからね!)、季節や流行に合わせて張り替えることもできません。
しかし、わたしが何より重視したのは、「時間がたてばたつほど味になるかどうか」ということ。
合皮レザーなら手入れは楽だし値段も安い。新しいうちは本革と遜色のない質感のものも、最近は増えています。
けれど、使えば使うほどくたっとした味が出ること、たとえ汚れたりシミになったりしても、それが独特の雰囲気につながるもの、また足裏や手のひらからの脂さえもプラスになるもの、そんな素材は本革しかないと思っています。
■つけてしまった傷もまた、味になる
木製の家具も同じことが言えます。
ひとくちに木製と言っても、よくある化粧合板や集積材を使っている家具ではなく、質のよい一枚板のものです。
値段は張りますが、経年変化を楽しめます。色が深まり、味になっていきます。
たとえ傷をつけてしまっても、独特な雰囲気になるのです。
フローリング板をリメイクして作られた額縁。アメリカの家屋を解体した廃材を再利用したものだそう。
時を経た家具は、まったく同じ新品と比べても、より価値があるとわたしは思うのです。
帽子スタンドはアンティークで、元は糸巻きだったもの。フランスのどこかの工場から? 家庭で使われていたもの?
◇Asami's Answer◇
時を経て、自分の“使い方なりの味”がでてくる「家具の成長」を楽しむ。