連載記事:坪田あさみのインテリアコーデBOOK
“経年変化”のある家具で、自分なりの味を楽しむ【坪田あさみのインテリアコーデBOOK #4】
日本はなんでも新しいものに価値がある国です。
家も新築が一番よく、車も、時計も、ジュエリーも、ワインさえもボジョレーをありがたがる国民性。
人だって一緒。若いというだけで社会がもてはやしますよね。(笑)
家具もそうです。人によっては引っ越しをする度に、すべて新しいものに買い替える人もいます。
新しい家に古い家具は似合わないと、家具を一新して生活をリスタートさせたいのだそうです。
そういう考えも、間違いではないと思いますが、大切に長く使うことで経年変化が楽しめ、より価値が出るものがわたしは好きです。
ヴィンテージマンションと言われ、何十年たっても値段が下がらない、むしろ価値が上がっていく物件や、車など、誰かが手入れをしながら大切に乗り継いできたものには、独特のたたずまいを感じ、とても心がひかれるのです。
■“歴史を楽しめる家具”を選ぶ
また、世界の名品と呼ばれる名作家具を選ぶことも、よい家具に出会えるひとつの方法です。
復刻ではないオリジナルは、何十年たっても高い値がつき、そして市場に出ればあっという間に売れてしまいます。
イームズのオリジナルのシェルチェアとコーヒーテーブル。復刻版にはない色みとガラス繊維による質感がお気に入り。
時代をへても全く古くならない普遍的デザイン。
デザインの美しさやブランド力はもちろんのこと、それを所有することのよろこびや、世界のどこかで誰かが大切に使ってきた歴史が価値を押し上げているのです。
傷のひとつにさえもロマンを感じます。
家具に対する考え方は人それぞれですが、使われれば使われるほど価値が上がるってすてきだと思いませんか?
わたしは毎日「いい家具だな」「大好きだな」と思いながら、大切に使える家具と一緒にくらしたいと思います。
◇Asami's Answer◇
家具を愛し、大切に使っていくことは、日々のくらしの充実にもつながっていく。