【教えて!弁護士先生】子どもが行方不明! 無事見つかったときにかかる捜索費用は?


公的機関の救助ヘリが使われることもありますが、捜索範囲が広い場合など、「ヘリが足りない」ということで、民間ヘリを出動させる場合もあります。当然、その場合の民間ヘリの代金も遭難者やその家族が払うことになるのが原則です。救助の要請者は、「公的機関のヘリを使ってよ」と言いたいところかと思いますが、使用するヘリを指定することはできないことになっています。どこのヘリが救助に向かうのかは、機体のスケジュールや事故現場の状況などを考慮して決められるのです。

■山岳保険って使える?

ここまで読んで「山岳保険が使えるのでは?」と思われる方がいるかもしれませんが、あくまで山岳保険は登山者本人の遭難・災害を補償するものです。遭難者が保険に入っていた大人であれば使える可能性がありますが、子ども自身が山岳保険に加入していない限り、子どもの捜索にかかった費用は保険ではまかなわれません。

もっとも、子ども自身が救援者費用等保証特約の付された生命保険に介入していれば、子どもの捜索費用が出る可能性があります。契約内容によって異なりますが、300万円ほどの保険金が出るものが多いです。


■まとめ

以上のように、山で遭難したときの捜索費用は、民間に頼ることも多く、その場合はかなりの高額になります。数日間の捜索であっても「とても払える額ではない」ほどの金額に一気に膨らみます。子どもは時に思いもよらない行動をとることがあるので、山におもむく際は、子どもを山岳保険に加入させる、捜索費用を補償してくれる生命保険に加入しておく、といった事前準備をしておくと安心でしょう。

監修協力:弁護士法人アディーレ法律事務所 (東京弁護士会所属)

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