だし汁がじゅわ~っと口いっぱいに広がるあの卵料理。そう、日本人なら誰もが一度は食したことのあるだし巻き卵です。外国人にもよろこばれる日本食なのだそう。
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ところで、だし巻き卵と卵焼きのちがいはご存じですか? 調理法も味つけも、まったくちがいます。人に教えたくなる、ちょっとした日本の食文化を紹介します。
■だし巻き卵と卵焼きのちがい
だし巻き卵と卵焼き、どちらも卵を巻いた料理です。見た目は同じような形状をしていますが、ひと口食べると食感も風味も味もまったくちがいます。
だし巻き卵は、溶いた卵にだし汁をたっぷり入れて、銅製の四角い卵焼きの鍋で薄く焼きながら巻いたもの。
口に入れるとだし汁があふれだし、卵と同じくらいだし汁も主導権を握っているような料理です。大根おろしを添えて食すことも多いです。
一方、卵焼きは、溶いた卵にしょう油や砂糖、塩などで調味し、卵焼き器で薄く焼きながら巻いたもの。だし巻き卵とちがって、こちらは純粋に卵がメイン。各家庭で味つけは異なり、しらすやネギ、チーズなどを入れて、いろいろなバリエーションが楽しめます。お弁当の定番おかずですね。
■京巻き・大阪巻きがあるってホント?
テレビドラマで板前さんが、だし巻きをつくっているシーンがあるとつい、手元を見てしまいます。
だし巻き卵の巻き方には二通りあって、鍋の向こうから手前へ巻くのが「大阪巻き」。
逆に鍋の手前から向こうへ巻くのが「京巻き」といいます。大阪巻きが一般的といわれることが多いようですね。
京料理の板前さんに、京巻きのメリットを聞いてみたところ、「巻いていくときに巻いた卵自身の重さで巻きがしっかりしていて、しまった形の良いだし巻きになりますよ」とのこと。
二通りの巻き方のだし巻きを食べくらべてみたいものですね。