罪になる? 子どもの感染症を友達にうつしてしまったら【教えて!弁護士先生】

秋になり日ごとに気温が下がるようになりました。これから寒くなるとインフルエンザなどが流行する季節になりますが、万が一、子どもが友達に病気をうつしてしまったら、親には損害賠償などが発生するのでしょうか。感染症をうつしてしまった場合の法律問題についてお話しします。

目次

・友達に病気をうつしてしまったかも
・もし幼稚園や学校に預けて感染が広がったらどうする?
・できる限り感染予防の対策を


風邪をひいてマスクをする女の子

(c) hinata815 - Fotolia.com



■友達に病気をうつしてしまったかも

これまでの判例上、病気をうつす行為も傷害罪に該当すると考えられています。このため親は、自分の子どもが感染症にかかっていることをわかっていながら、友達への感染が目的で遊びに行かせて感染症をうつしてしまった場合には、「故意(=わざと)により人の生理的機能に障害を生じさせた」として、傷害罪が成立する可能性があります。

そのような目的を持っていない場合はどうでしょうか。この場合は、過失(=不注意)があったかどうかで、結論が異なります。

子どもの病気がすっかり治っていると思いこんで遊びに行かせた場合は、そう考えるだけの仕方がないといえる理由がある(過失はなかった)として、過失傷害罪は成立しません。
しかし、だれが見てもあきらかに病気だとわかるような場合は、「なにも感染予防の対策をせずに、子どもを友達の家に遊びに行かせるという過失があった」として過失傷害罪が成立する可能性があります。

これまでは刑事責任についての話ですが、それとはべつに民事責任を負う可能性もあります。つまり、故意または過失により他人に病気をうつした場合には、「不法行為」に該当し、治療費や慰謝料などの損害を賠償しなければなりません。


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